アメリカン・エキスプレス、清原新社長が「より深く、より広く」と抱負

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.は、2014年9月に社長に就任した清原正治氏が新社長として抱負を語るメディア懇親会を11月26日、東京・虎ノ門で開催した。清原氏は、アメリカン・エキスプレスのカードビジネスについて「“より深く、より広く”という新たなアプローチで成長を加速させたい」と語った。(写真は、アメリカン・エキスプレス社長の清原正治氏。サーチナ撮影)
清原氏は、新社長として「重要市場である日本において、事業成長を加速させることが使命である」と語る。前任のロバート・サイデル氏が13年間の在任期間で実現した成長と成功を「守るのではなく、新たなアプローチで、より広い層に深く広く展開する」と、一段と積極的な事業展開を推進していくとしている。
そのような積極策がとれる背景に、「日本は先進国の中でカードの取扱高が伸び続けている市場であること。また、日本は支払いにおいてキャッシュの比率が74%でカードは17%と、米国のキャッシュ24%でカードが40%という比率と比較して、カード決済の成長余地が大きいこと」を挙げていた。
また、「より広く」という新しいアプローチの表れとして、「個人事業主」への幅広い展開を紹介し、「歯科医、獣医、オートパーツ事業主、理美容室のオーナーなどのカードフォルダーが大きく伸びている」とした。このような個人事業主は、カードでの決済金額がビジネスユースが加わって大きくなる傾向があり、事業領域を広げていく方針だという。
さらに、「広く」を象徴する取り組みとして2014年11月にスタートした「アメリカン・エキスプレス・コネクト」を紹介。アメリカン・エキスプレスが発行するカードについて、ショッピング、ダイニング、トラベル、エンターテイメントなどの各種優待特典やキャンペーン情報を1つのサイトで横断的に表示するサービスで、カード会員がサイトにログインすることで、保有するカードに対応した情報が表示される。さらに、カード会員が事前登録することで、加盟店からのオファーが受けられる。カード会員は従来のように特典をプリントアウトして加盟店で提示する必要がなく、サイト上で登録し、カード決済するだけで自動的に特典が適用されるようになる。
一方、「深く」については、アメリカン・エキスプレスに固有の「クローズド・ループ」と呼んでいる、カード発行から加盟店開拓などを全て社内で完結していることによって、カードの利用データなどを集約できるメリットを活かしたサービスを展開する。たとえば、ぐるなびと提携して11月25日から開始した「アメリカン・エキスプレス ダイニング・トレンド powewed by ぐるなび」は、その「クローズド・ループ」の成果を活かしたサービスのひとつ。
「ダイニング・トレンド」は、アメリカン・エキスプレスのカード会員の利用実績データを基にした、レストラン等の人気ランキングTOP50情報を一般に公開したもの。ぐるなびで新しいレストランを検索する利用者に、実際の利用者のランキングデータを提供することで、レストラン選びの選択肢を付加する。
このような様々な取り組みを積極的に展開し、「ベストなサービス、ベストなオファーをより広い層に使っていただきたい」とし、「達成時期については明言できないが、日本におけるカードの発行枚数、取扱高などを2倍にしたい」(清原氏)と目標を掲げている。(取材・編集担当:徳永浩)
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.は、2014年9月に社長に就任した清原正治氏が新社長として抱負を語るメディア懇親会を11月26日、東京・虎ノ門で開催した。(写真は、アメリカン・エキスプレス社長の清原正治氏。サーチナ撮影)
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2014-11-27 10:00