クリーク・アンド・リバー社は出直り本格化、中期成長力を評価

  クリエイティブ分野のエージェンシー事業を主力とするクリーク・アンド・リバー社 <4763> (JQS)の株価は出直りの動きが本格化している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、昨年5月高値を目指す展開だろう。   主力のクリエイティブ分野(日本)では映像・テレビ・ゲーム・Web・広告などの制作分野で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー事業、制作請負事業、電子書籍関連事業、アジア市場向け出版エージェンシー事業などを展開し、韓国のクリエイティブ分野や、医療・IT・法曹・会計分野のエージェンシー事業にも領域を広げている。   さらに新規事業分野として、建築関連やファッション関連のエージェンシー事業の本格展開も開始している。そして12月25日にはファッションクリエイター・エージェンシー事業の加速的な成長を目的として、アパレル業界に特化した人材派遣会社インター・ベルを連結子会社化した。   1月9日発表の今期(14年2月期)第3四半期累計(3月~11月)連結業績は前年同期比16.2%増収、同2.0%営業増益、同2.8%経常減益、同17.7%最終増益だった。売上高、営業利益、純利益は第3四半期累計として過去最高を達成した。主力のクリエイティブ分野(日本)がテレビ番組制作受託の増加などで同19.6%増収、同15.0%営業増益と好調に推移して、新規事業分野の先行費用、医療分野の決算期変更(前年同期は10カ月分を計上)の影響、子会社の不適切取引が発覚したIT分野のマイナス影響などを吸収した。   通期見通しは前回予想を据え置いて売上高が前期比14.1%増の200億円、営業利益が同20.9%増の12億円、経常利益が同15.9%増の12億円、純利益が同64.4%増の5億50百万円としている。主力のクリエイティブ分野(日本)が牽引して大幅増収増益見込みだ。第3四半期累計の進捗率は売上高が76.4%、営業利益が74.0%、経常利益が74.3%、純利益が71.5%と概ね順調な水準であり、好業績が期待される。   来期(15年2月期)以降も収益拡大基調が期待される。高付加価値のテレビ番組制作受託が増加基調であり、IT分野の事業再構築も進めている。そして電子書籍・海外版権エージェント、作家エージェント、オンラインクリエイター、建築エージェンシー、ファッションクリエイター・エージェンシーという新規事業も順次収益化する見込みだ。   株価の動きを見ると、IT分野の不適切取引発覚を嫌気して急落した昨年9月安値圏350円台をボトムとして反発し、以降は水準切り上げの展開が続いている。1月9日には505円まで上伸して、急落前の昨年7月24日以来となる500円台を回復する場面があり、出直りの動きが本格化している。証券優遇税制廃止に伴う需給不安も後退して中期成長力を評価する動きだろう。   1月16日の終値468円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円55銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS162円60銭で算出)は2.9倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が上向きに転じてサポートラインとして機能し始めている。強基調を確認して昨年5月高値600円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
クリエイティブ分野のエージェンシー事業を主力とするクリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)の株価は出直りの動きが本格化している。
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2014-01-17 09:15