ワークマンは中期成長力を評価する流れに変化なく9月高値を試す
作業服店チェーンのワークマン <7564> (JQS)の株価は、上げ一服でモミ合い展開だが、高値圏5400円~5900円近辺で堅調に推移している。上昇トレンドの中段保ち合いのようだ。中期成長力を評価する流れに変化はなく9月高値6000円を試す展開だろう。
ワーキングウェアや作業関連用品などの大型専門店チェーンをFC中心に全国展開している。ローコスト経営を特徴とするとともに、他社との差別化戦略としてPB商品「WORKMAN BEST」の開発・拡販、さらに単品管理プロジェクトの推進、地域特性に合わせた売り場づくりなどを強化している。
14年9月末の店舗数は、1都2府37県下にFC店(加盟店A契約店舗)629店舗、直営店(加盟店B契約店舗およびトレーニング・ストア)108店舗の合計737店舗である。人口10万人に1店舗として、中期的には22年3月期に全国1000店舗、28年3月期に全国1300店舗の展開を目指している。
14年9月には、来期(16年3月期)から実施する「中期業態改革ビジョン」の中で、アベノミクスの法人減税が実現して業績も増収増益が続けば、在籍社員の年収を現在の約600万円(平均年齢36.4歳)から5年を目途に約100万円引き上げる目標を織り込んだと公表している。女性の活用についても体制整備を進める。小売企業の中でトップクラスの待遇や女性社員が第一線で働きやすい環境を作り、社員のモチベーション向上と業績拡大につなげる方針だ。
今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しは、前回予想(4月30日公表)を据え置いてチェーン全店売上高が前期比6.0%増の729億円、営業総収入(売上高)が同7.3%増の516億40百万円、営業利益が同7.8%増の90億30百万円、経常利益が同7.0%増の101億70百万円、純利益が同11.0%増の61億90百万円、配当予想が前期と同額の年間83円(期末一括)としている。5期連続の増収増益で最高益更新の見込みだ。
店舗展開は新規出店25店舗、閉店4店舗、運営形態変更23店舗、期末店舗数は751店舗の計画で、14年11月には北海道エリアに初出店する。既存店売上高は同4.2%増(客数が同3.2%増、客単価が同1.0%増)を想定し、PB商品売上構成比は同1.7ポイント上昇の12.3%の計画としている。
第2四半期累計(4月~9月)はチェーン全店売上高が前年同期比3.4%増、既存店売上高が同1.8%増、営業総収入(売上高)が同5.3%増、営業利益が同3.8%増、経常利益が同4.5%増、純利益が同9.8%増だった。消費増税や天候不順の影響で既存店が伸び悩み、売上高、利益とも期初計画をやや下回ったが、概ね順調に推移した。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率はやや低水準だが、秋冬防寒新商品投入などの商品力強化、履歴発注システム稼働率上昇による発注作業の短縮化と適正在庫の維持などの取り組みを強化する方針であり、好業績が期待される。さらにテレビCM放映効果による知名度向上、積極的な新規出店と出店エリア拡大、PB商品売上構成比の上昇による粗利益率改善などで中期的に収益拡大基調だろう。
月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)を見ると、14年10月は全店100.7%、既存店99.5%だった。10月は前年よりも降雨日が少なかった影響で合羽や長靴などの雨具類が伸び悩んだ。ただし14年4月~10月累計では全店103.0%、既存店101.4%と好調を維持している。なお10月は新規出店2店舗、閉店0店舗で10月末店舗数は739店舗となった。
株価の動きを見ると、9月高値6000円後は上げ一服となってモミ合い展開だが、高値圏の5400円~5900円近辺で堅調に推移している。中期成長力を評価する流れに変化はなく、上昇トレンドの中段保ち合い局面だろう。
11月27日の終値5560円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS303円85銭で算出)は18~19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間83円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1953円29銭で算出)は2.8倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって下値を切り上げている。中段保ち合いから上放れて9月高値を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
作業服店チェーンのワークマン<7564>(JQS)の株価は、上げ一服でモミ合い展開だが、高値圏5400円~5900円近辺で堅調に推移している。上昇トレンドの中段保ち合いのようだ。
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2014-11-28 09:30