うかいは今期減額修正に対するネガティブ反応は限定的、短期調整が一巡して切り返し局面

  高級料理店うかい <7621> (JQS)の株価は、10月中旬の直近安値圏2100円近辺で下値固めが完了し、足元は2150円~2200円近辺で推移している。11月7日に発表した今期(15年3月期)業績見通し減額修正に対するネガティブ反応は限定的のようだ。徐々に下値を切り上げる形であり、短期調整が一巡して切り返し局面だろう。   飲食事業(高級和食・洋食店)を主力として、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。新たな成長ステージに向けた戦略として、商圏1万キロに向けたブランド構築、新業態の定着と新規出店、海外へのブランド発信と海外企業との業務提携、サービス向上のための人材育成、製菓工房「アトリエうかい」の本格稼働、和食店のお土産品強化、物販における販路開拓などを推進している。   14年4月には、国内で4年ぶりの新店となる新業態の割烹料理店「銀座kappou ukai(呼称:割烹うかい)」をオープンした。海外は13年5月に、台湾・高雄市FIHリージェントグループホテル内レストランのコンサルティング契約を締結して海外初出店を決定し、16年オープンに向けて準備を進めている。   今期(15年3月期)の業績(非連結)見通しについては11月7日に減額修正を発表した。前回予想(5月19日公表)に対して売上高は3億74百万円減額して前期比1.3%増の121億81百万円、営業利益は2億97百万円減額して同49.5%減の1億94百万円、経常利益は3億15百万円減額して同66.1%減の1億11百万円、そして純利益は1億95百万円減額して同86.2%減の36百万円とした。配当予想は前回予想を据え置いて、前期と同額だが期末一括の年間15円としている。   第2四半期累計(4月~9月)は前年同期比0.3%増収だったが、営業利益、経常利益、純利益とも赤字となった。台風や豪雨など天候不順の影響に加えて、消費増税の影響の長期化で来客数および売上高が計画を下回り、利益面では創業50周年事業に係る販売促進費の増加、新店「銀座kappou ukai」の一部の開業費計上、保険中途解約に伴う損失計上なども影響した。通期ベースでも第2四半期累計が計画を下回った影響が残る見通しだ。   月次売上高(前年比、アトリエうかいの店頭販売含む)を見ると14年10月は全店105.9%、既存店103.9%だった。全店、既存店とも2ヶ月ぶりに前年比プラスに転じた。また10月の客単価は全店102.0%、既存店101.2%となり、いずれも13年3月から20ヶ月連続の前年比プラスだった。高額消費の流れは継続しているようだ。   中長期計画では17年3月期売上高127億53百万円、営業利益6億40百万円を目標値として掲げている。ブランド認知度の向上、圏央道相模原愛川IC~高尾山IC間の開通に伴う商圏拡大、高額消費の活発化、訪日外国人観光客の増加に加えて、13年12月に「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたことも追い風だ。中期的には収益拡大基調だろう。   株主優待制度については5月19日に実施時期の変更を発表し、従来の毎年3月期末から毎年9月中間期末に変更して14年9月末から実施した。そして8月8日に優待内容の変更を発表した。箱根ガラスの森入場招待券1500円×10枚(1万5000円相当)を廃止し、代わりに100株以上所有株主に対して箱根ガラスの森株主限定食事付入場招待券5枚(1万5000円相当)を贈呈する。その他の優待内容に関しては所有株式数に応じた食事優待券または特選うかい牛肉で変更はない。   株価の動きを見ると、9月25日の戻り高値2389円から株主優待の権利落ちで反落したが、10月中旬の直近安値圏2100円近辺で下値固めが完了し、足元は概ね2150円~2200円近辺で推移している。11月7日に発表した今期業績見通し減額修正に対するネガティブ反応は限定的のようだ。   11月27日の終値2182円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS7円00銭で算出)は312倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間15円で算出)は0.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS925円47銭で算出)は2.4倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートして下値を切り上げている。短期調整が一巡して切り返し局面だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
高級料理店うかい<7621>(JQS)の株価は、10月中旬の直近安値圏2100円近辺で下値固めが完了し、足元は2150円~2200円近辺で推移している。
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2014-11-28 09:30