イワキは10月の直近安値圏で下値確認、高配当利回りや低PBRも支援材料に出直り展開

  医薬品・医薬品原料商社のイワキ <8095> の株価は、10月中旬の直近安値圏210円台から11月中旬の240円近辺まで戻し、その後は概ね230円~240円近辺で推移している。やや反発力が鈍く今期(14年11月期)業績の下ブレを警戒している可能性があるが、10月の直近安値圏で目先の下値を確認した形であり、高配当利回りや低PBRも支援材料として出直り展開だろう。   1914年創業の医薬品商社で、医薬品事業(医療用・一般用・動物用医薬品の製造・販売、調剤薬局経営)、医薬品原料・香粧品原料事業(医薬品・香粧品原料の製造・販売、化粧品OEM製造)、化成品事業(電子工業用薬品・表面処理用薬品・化成品の製造・販売)、食品原料・機能性食品事業(食品原料の製造・販売、サプリメントOEM製造)、その他事業(医療機器の販売、化粧品の製造・販売)を展開している。   全国の医薬品卸・医療機関・ドラッグストアなどに医薬品や機能性食品などを供給する卸売機能、国内外のメーカーなどを開拓して輸出入する商社機能、グループ内に岩城製薬(ジェネリック医薬品・医薬品原料、医療機関向け化粧品など)やメルテックス(表面処理薬品など)というメーカー機能を併せ持つことが強みであり、卸売・商社・メーカー機能の連携を強化している。   中期的な事業基盤強化と収益拡大に向けて、医薬品事業では共同開発・受託品の拡大、ドラッグストア向けPB商品など自社企画商品の開発・提案強化、医薬品原料事業ではシェア拡大、インド・グレンマーク社との提携など海外サプライヤーとの連携強化、化成品事業では岩城製薬の生産能力増強と新製品投入、メルテックスの海外(タイ、韓国、中国)への展開強化、日立化成 <4217> とのアライアンスによる拡販などを推進している。   今期(14年11月期)の連結業績見通し(1月14日公表)は、売上高が前期比1.0%増の530億円、営業利益が同0.8%減の10億円、経常利益が同4.7%減の11億円、純利益が同13.9%減の6億50百万円としている。配当予想(7月10日に増額修正)は前期比1円50銭増配の年間7円50銭(第2四半期末4円50銭=普通配当3円+創業100周年記念配当1円50銭、期末3円)としている。   第3四半期累計(12月~8月)は前年同期比3.1%増収、同25.7%営業減益、同25.3%経常減益、同50.3%最終減益だった。円安進行に伴う輸入原材料価格の上昇などが影響して減益だったが、売上面では外皮用剤などのジェネリック医薬品、およびジェネリック医薬品用原料、ドラッグストア向け自社企画PB商品、国内のプリント配線板向け表面処理薬品などが好調のようだ。   通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.3%、営業利益が59.1%、経常利益が61.1%、純利益が42.6%だった。輸入原材料価格の上昇などが影響して利益の進捗率がやや低水準のため通期見通しの達成に注意が必要だが、中期的に見ればジェネリック医薬品・原料関連市場の拡大が追い風だろう。   株価の動きを見ると、10月中旬の直近安値圏210円台から11月中旬の240円近辺まで戻した。その後は概ね230円~240円近辺で推移している。やや反発力が鈍く今期業績の下ブレを警戒している可能性があるが、10月の直近安値圏で目先の下値を確認した形であり、下値は限定的だろう。   11月27日の終値228円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円24銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円50銭で算出)は3.3%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS499円78銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形になったが、26週移動平均線がサポートして下値を切り上げている。高配当利回りや低PBRも支援材料として出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医薬品・医薬品原料商社のイワキ<8095>(東1)の株価は、10月中旬の直近安値圏210円台から11月中旬の240円近辺まで戻し、その後は概ね230円~240円近辺で推移している。
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2014-11-28 09:30