<澤上篤人の長期投資学>長期投資をしていて良かった

■道草を食わされたけど  新年を迎えるにあたり、明るい見通しを話ましょう。それは、本格的な長期運用の「さわかみファンド」船に乗っていて良かったを、これからどんどん実感してもらえる最初の年になるだろうということです。実は、2007年に基準価額が2万円台に乗り、一度はファンド仲間の皆様に「長期投資はこんなにすごいのか」を体験してもらえました。ところが、リーマンショックで株価全般は1982年の水準にまで叩き売られ、長期の財産づくりは元の木阿弥となってしまいました。  これはと思う企業の株価が売られたら断固たる応援買いを入れるぞ、それが長期投資家の真骨頂だ。そういって買い向った「さわかみファンド」の基準価額は半分以下にまで棒下げしたのです。ファンド仲間の皆様には、その後6年間も成績低迷にお付き合いさせてしまい、誠に申し訳なく存じます。ずいぶんと道草を食わされましたが、どうやら「さわかみファンド」は本来の長期運用軌道に乗ってきたと思われます。これからは、急ピッチで遅れを取り戻してくれるでしょう。  さて、ここからが大事なポイントです。それは、これから襲ってくるであろう荒波を本格的な長期投資で乗り切っていくことで、「さわかみファンド」への信頼と安心感がどんどん高まっていくだろうということです。  荒波?今年あたりからその徴候が出はじめると思われるのが、国債価格の下落と長期金利の上昇です。当初は、金融マーケットも日本経済も軽いジャブを浴びる程度の打撃で収まるでしょう。しかし、そのうち国債の値崩れと長期金利の上昇にブレーキがかからなくなり、金融界はじめ多くの産業が大混乱に陥るのは避けられません。世界中を見渡すに、国債バブルとその崩壊懸念はあっても、人々の生活を支える企業群のビジネスは一時たりとも途切れることはありません。かりに、金融界の混乱でリーマンショック時のような株価暴落があっても、それは一時的なもので世界の株価はV字回復するでしょう。  それが、30年ぶりの債券から株式への世界的な資金シフト、つまりグレートローテーションです。その大きな波に乗って、「さわかみファンド」の長期投資は期待に違わず実力を発揮してくれるでしょう。(情報提供:さわかみ投信代表・澤上篤人 2013年12月11日記)
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2014-01-17 09:30