アーバネットコーポレーションは上昇トレンドに転換して上値試す、低PERや高配当利回りも支援材料

  投資用マンション開発・販売のアーバネットコーポレーション <3242> (JQS)の株価は、安値圏240円~270円近辺のモミ合いから上放れの展開となり、11月28日には293円まで上伸した。日銀のサプライズ追加緩和で動意付き、今期(15年6月期)第1四半期(7月~9月)の好業績も評価して上昇トレンドに転換した形だ。低PERや高配当利回りも支援材料であり14年7月の319円、14年1月の325円を試す展開だろう。   東京23区で投資用・分譲用マンションの開発・販売事業を展開している。土地価格や建設コストは高止まり状況だが、REIT、ファンド、海外投資家の参入など投資用ワンルームマンションに対する投資・購入マインドは旺盛である。そして在庫不足のため販売価格は上昇傾向のようだ。日銀のサプライズ追加金融緩和、20年東京夏季五輪、脱デフレ、そして日本経済再生の流れも追い風となる。   なお11月6日に固定資産の取得を発表した。当社開発物件である投資用ワンルームマンション「アジールコート荏原(仮称)」(16年3月末竣工予定)を当社保有の収益物件として取得する。また11月19日に販売用不動産の用地購入および当該資金の借入を発表した。物件は投資用ワンルームマンション「麻布十番プロジェクト(仮称)建設用地」で、建設物件の売却は17年6月期の予定としている。   今期(15年6月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(8月7日公表)を据え置いて売上高が前期比4.9%増の110億円、営業利益が同5.4%増の12億50百万円、経常利益が同5.9%増の10億50百万円、純利益が同10.3%減の6億85百万円としている。なお純利益は法人税等が増加して減益見込みのため、配当予想は配当性向30%を目標として同2円減配の年間10円(第2四半期末5円、期末5円)としている。   第1四半期(7月~9月)は売上高が前年同期比3.5倍の29億47百万円となり、営業利益は3億63百万円、経常利益は3億16百万円、純利益は2億01百万円で計画を上回る水準だった。前期からの継続物件2棟を含む投資用ワンルームマンション4棟の一部個別決済162戸を売上計上した。   土地価格上昇と建設コスト上昇によって売上総利益率が低下傾向を強めるという事業環境に対応して、投資意欲旺盛な台湾・シンガポール・香港・中国本土の海外投資家への直接販売など販売手法の多様化、川崎市・横浜市など人口増加・優良地域への開発地域の拡大、売上総利益率安定化に向けた分譲物件開発の平準化(毎期1件以上)などの施策を強化する方針だ。   なお販売用不動産の売却に関しては、14年7月に投資用ワンルームマンション「アジールコート銀座東(仮称)」(15年2月末竣工、15年6月期売上計上予定)の売買契約を締結した。販売手法の多様化の一環として進めている海外投資家への直接分譲の第一弾となった。さらに10月には投資用ワンルームマンション「西馬込Ⅳプロジェクト(仮称)」(15年8月末竣工、16年6月期売上計上予定)の売買契約、11月には投資用ワンルームマンション「アジールコート新宿(仮称)」(16年3月末竣工、16年6月期売上計上予定)の売買契約を締結している。   株価の動きを見ると、8月中旬~10月下旬の安値圏240円~270円近辺のモミ合いから上放れの展開となり、11月28日には298円まで上伸した。日銀のサプライズ追加緩和で動意付き、今期第1四半期の好業績も評価した形だろう。   11月28日の終値296円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS33円08銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.4%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS153円34銭で算出)は1.9倍近辺である。   日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して上伸した。モミ合いから上放れて上昇トレンドに転換した形だ。低PERや高配当利回りも支援材料であり14年7月の319円、14年1月の325円を試す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
投資用マンション開発・販売のアーバネットコーポレーション<3242>(JQS)の株価は、安値圏240円~270円近辺のモミ合いから上放れの展開となり、11月28日には293円まで上伸した。
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2014-12-01 09:30