【為替本日の注目点】日経続伸ドル円119円台に迫る、ドル高進むか
NY市場
東京時間に118円台を回復したドル円は、原油の大幅安や日本の消費者物価上昇率の鈍化を手がかりに118円78銭までドル高が進行。21日の欧州市場で記録した118円98円銭も視野に。ユーロドルは1.24台後半でスタート。その後は今週のECB理事会をにらんだユーロ売りに、1.2426まで売られたが、1.24台半ばまで戻して引ける。理事会で量的緩和に踏み切るとの見方は依然根強い。
株式市場はまちまち。原油価格の大幅安からエネルギーセクターが安く、小売株が堅調。ダウは前日とほぼ変わらず、S&P500は5ポイント下落。債券相場は続伸。原油価格の下落で、世界的なインフレ期待が後退し、10年債利回りは5週間ぶりに2.16%台まで低下。金は大幅安で1175ドル台に。原油も大幅に続落し、一時は65ドル台まで売られ、66ドル台で引ける。
ドル/円 118.25 ~ 118.78
ユーロ/ドル 1.2426 ~ 1.2490
ユーロ/円 147.50 ~ 147.96
NYダウ +0.49 → 17,828.24ドル
GOLD -22.00 → 1,175.50ドル
WTI -7.54 → 66.15ドル
米10年国債 -0.086 → 2.160%
本日の注目イベント
中 中国 11月製造業PMI(速報値)
中 中国 11月HSBC製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏11月製造業景況感指数(改定値)
欧 イタリア7-9月期GDP(改定値)
米 11月ISM製造業景況指数
米 ダドリー・NY連銀総裁講演
米 フィシャー・FRB副議長講演
NY原油先物市場で、WTI原油価格が大幅に続落しました。OPEC総会で日量3000万バレルの生産を維持することを決めたことが直接の原因ですが、加えて世界的な景気減速が背景にあります。特に中国が2015年の経済成長目標を7.5%前後から、7.0%前後に下方修正したことが大きな下落要因になったと考えられます。
原油価格の大幅下落は米国経済にプラスに働きます。もちろん、シェールガス、シェールオイルの採掘コストが高い米国にとっては、これ以上原油価格が下がると「採算割れ」をするといった見方もあるようですが、米国全体から見れば原油安はプラスに作用し、ドル買い材料と見ることができます。
一方、日本とっても原油安は物量コストの低下につながり、個人にとってもガソリン価格が下がり、消費拡大につながります。ここまでは円高要因と見ることができますが、現在採られている金融政策の面から見るとそうともいえません。「2年で2%の物価上昇」を目指している日銀にとって、原油安は物価を押し下げる効果があるからです。原油価格の下落→消費者物価の低下→2%物価上昇の不確実性の増加→追加緩和観測の台頭、といった具合に、円売りあるいは株高につながりやすいという側面もあります。
ドル円は、先週末のNY市場で118円78銭まで上昇し、週明けのオセアニアでも118円90銭前後まで円安が進んでいます。先月21日の欧州市場で記録した118円98銭も抜きそうな気配で、いよいよ119円台乗せが現実的になって来ました。やはり「120円を見ないと収まらない相場」ということのようです。
今週は米雇用統計があり、その前にはECB理事会もあります。雇用については概ね好調さが維持されていると思われ、ECB理事会では量的緩和に踏み切るのかどうかが焦点です。仮にECBが国債購入を含む量的緩和を決定すれば、ユーロが売られドル高が進むものと予想されます。ユーロ安ドル高は、ドル円でもドル高円安につながりやすいことから、今週にも120円近辺までドル高が進む可能性もありそうです。本日は朝からドルが買われていますが、レンジは118円30銭~119円50銭程度と予想したいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
東京時間に118円台を回復したドル円は、原油の大幅安や日本の消費者物価上昇率の鈍化を手がかりに118円78銭までドル高が進行。21日の欧州市場で記録した118円98円銭も視野に。ユーロドルは1.24台後半でスタート。その後は今週のECB理事会をにらんだユーロ売りに、1.2426まで売られたが、1.24台半ばまで戻して引ける。理事会で量的緩和に踏み切るとの見方は依然根強い。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2014-12-01 09:45