【為替本日の注目点】米株安で円安一服ドル円上値重く、豪ドル円急落1ヵ月振り安値
NY市場
ドル円は東京時間に104円92銭まで上昇したが105円には届かず。海外市場では緩やかに下落し、NY市場では一時104円15銭まで売られる。経済指標は好調だったものの、株価の下落と長期金利の上昇が一服したことが重しに。
ユーロドルは方向がなく、1.36台半ばから1.35台後半でもみ合い。対円では142円台後半まで買われたが、その後は大きく値を崩す。
株式市場は反落。シティーグループなどの決算が期待外れだったことを手掛かりにダウは64ドル安。
債券相場は反発。失業保険継続受給者の増加や株価の下落を背景に債券価格は3日振りに上昇。長期金利は2,84%台まで低下。
金は小幅に反発し、原油は反落。
12月消費者物価指数 → +0.3%
新規失業保険申請件数 → 32.6万件
1月フィラデルフィア連銀景況指数 → 9.4
1月NAHB住宅市場指数 → 56
ドル/円 104.15 ~104.62
ユーロ/ドル 1.3583 ~ 1.3650
ユーロ/円 141.70 ~ 142.40
NYダウ -64.93 → 16,417.01ドル
GOLD +1.90 → 1,240.20ドル
WTI -0.21 → 93.96ドル
米10年国債 -0.042 → 2.840%
本日の注目イベント
英 英12月小売売上高
米 12月住宅着工件数
米 12月建設許可件数
米 12月鉱工業生産
米 1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
米 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演
米 決算発表 → モルガンスタンレー、GE
順調に上昇を続けてきたドル円は105円を目前に一旦上昇が止まっています。昨日の昼過ぎに日経平均株価の上昇を手掛かりに、104円92銭までドル高が進みましたが、105円には届かず。海外市場ではジリ安となりドル売りが優勢でしたが104円台は維持しています。
米国の経済指標は相変わらず好調でしたが、2日連続で100ドルを超える株価の上昇が一服したことでドル円の上値も重くなり、予想したように103円ー105円のレンジに収まりそうな展開です。105円台を回復するにはさらに強いドル支援材料も必要ですが、一方で「雇用統計ショック」からは早くも癒えたような気配です。
豪ドルの下げが加速しています。昨日発表された12月の雇用統計では、失業率は5.8%で市場予想通りでしたが、雇用者数が予想の1万人増加に対して、2万2600人の減少でした。パートタイムの雇用者は9000人増加しましたが、フルタイムの雇用者は3万1600人減少したことが影響しました。
この結果を受け、豪ドル円は93円前後から91円台半ばまで下落し、約1ヵ月振りの安値を記録しています。92円から93円台で比較的安定していましたが、今回の急落でレンジを「下っ放れた」格好です。また、対ドルでも一時は0.8810まで売られ、2010年8月以来の安値を付けています。ブルームバーグによると、7月までに利下げが実施されるという予想が24%から45%に上昇しているようです。
オーストラリアでは鉱山への投資が後退し、頼みの中国の経済成長も7.5%から7.7%程度に減速しており景気後退が避けられない状況です。オーストラリア準備銀行のスティーブンス総裁は、事あるごとに豪ドル高を懸念する発言を繰り返してきました。昨年には「対ドルで0.85まで下落しても驚かない」と発言したこともあり、徐々にその水準に近づいてきたとも言えそうです。ただ、対円では「ドル高円安」の影響から、それほど豪ドル円が下落しているわけではありません。今後も「ドル高円安」が継続するという前提に立てば、90円以下では豪ドルを買う場面を探してもいいのではないかと考えています。
残すところ2週間余りで退任するバーナンキ議長がワシントンで講演を行いました。量的緩和策は経済に貢献している一方で、資産バブルを作り出している直接的な兆候はないと語っており、債券購入プログラムについて「少なくとも多少の効果はあった。伝統的な金融政策ではできることに限りがあり、当局は追加措置を講じる必要性を感じた」と、QE3を振り返っていました。来月からはイエレン新議長にバトンタッチするわけですが、市場のアノマリーの一つに「FRB議長が代わった年には大事件が起こる」というものがありますが、今年はどうでしょうか・・・。予想レンジは103円80銭~104円80銭程度といったところでしょうか。
連日寒い日が続いています。朝起きる際に、自分との戦いが大変です。早く3月が来ればいいのにと思いながら駅に向かいますが、それでも電車乗っている途中で東の空が明るくなるのに気づくころになりました。あともう少しの辛抱です。良い週末を・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は東京時間に104円92銭まで上昇したが105円には届かず。海外市場では緩やかに下落し、NY市場では一時104円15銭まで売られる。経済指標は好調だったものの、株価の下落と長期金利の上昇が一服したことが重しに。
gaitameonline,gaitamedotinterview
2014-01-17 09:45