中国人と友情を構築する為の「酒席の翌日の距離感講座」

 中国人と仲良くなるのは意外と難しいことです。オープンであっけらかんとしている彼らですから、われら日本人はともすれば友達になりやすいような感覚を持つのですが、これが実際には意外と難しい。  ただ、難しくしてしまっているのは日本人の側にも原因があります。その原因を理解しておけば、彼らと友達になりやすくなります。  例えば中国人の同僚とお酒を飲みに行ったとします。お酒が回れば、その先には国境はありません。ワイワイガヤガヤとすっかり打ち解けて、夜遅くまで語り明かすのも良いでしょう。  ですが、翌日会社に行って、「昨日は昨日、酒の席の事」という風に壁を作ってはいけません。そのようにしてしまうと、彼ら中国人は「昨日のフレンドシップは何だったの?」と混乱をしてしまいますから、注意が必要です。  「酒の席は酒の席、今日の仕事はケジメを付ける」と一定の距離感を維持するのが我々日本人の美徳ですが、中国人の考え方はそうではありません。酒の席で縮まった距離感は、一晩寝て職場にやってきてもリセットされる事はありませんので、急に日本人がすました顔で対応をすると、彼らはアジャストができなくなってしまうのです。  「なんだ、この日本人は。昨日友達になったんじゃなかったのか? なんでまた、よそよそしくするんだ?」  これが、中国人の考え方「そのもの」なのです。覚えておかれると良いかと思います。  飲んでフレンドシップを構築したならば、次回に会った時にはニコニコと「昨日は楽しかった。俺とお前はもう友達だ。でも、今は仕事中だからな。一生懸命頑張って仕事しようぜ」と握手のひとつもしながらコミュニケーションを取るようにすれば、彼らは混乱をする事がありません。  「あ、昨日はどうも」などと一応の距離感をキープしておくのが、飲んだ翌日の日本人の暗黙の距離感ですが、その距離感は中国人には理解されない事は覚えておかれると良いかと思います。  ただ、フレンドリーに接したら接したで、こんどは仲良くなろうと濃厚に接触を図ってくるのが中国人です。絶妙な距離感での友情の構築は、なかなか難しいのが現実です。本コラムでご紹介した知識は知識として、皆様なりの友情構築法を見出すために有効に活用していただきたいと思います。(執筆者:高橋 亮 提供:中国ビジネスヘッドライン)
 中国人と仲良くなるのは意外と難しいことです。オープンであっけらかんとしている彼らですから、われら日本人はともすれば友達になりやすいような感覚を持つのですが、これが実際には意外と難しい。
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2014-12-05 11:30