中国・沿海地方の「原発建設計画」 発電能力は「福島第一」の12カ所超=中国メディア

 中国の国家能源局核電司(国家エネルギー庁原子力発電局)の劉宝華司長は4日、共産党中央と中国政府は中国が進めている沿海地方における原子力発電所建設について、安全性を大前提に、プロジェクトを進めるよう指示したと述べた。  2020年までに沿海部に原発建設を急ピッチで進める。原発による発電容量を計5800万キロワットにする計画だ。2011年に稼働を取りやめた東京電力の福島第一発電所の約12.4倍の原発発電容量となる。新京報などが報じた。  2011年3月11日の東日本大震災で福島第一原発が壊滅的な被害を受けて以降、中国は原発建設を一時停止して、計画を見直すと同時に、既存施設については安全検査を進め、技術的な安全性向上のための措置も講じたという。  劉司長は4日の記者会見で、「最近になり共産党中央と中央政府から新たな指示があった。国際的にも最高の安全基準を採用し、安全を確保すること。前記を大前提として、沿海地区の新たな原子力発電建設プロジェクトに着手することだった」と述べた。  中国政府の計画によると、同国は今後、原子力発電施設の建設に積極的に取り組み、2020年までに発電容量を累計5800万キロワットにまで高める。福島第一原発は1号基から6号基までで発電容量が計469万6000キロワットだから、約12.4倍の計算になる。  さらに20年時点で、建設中の原発の発電容量を計3000万キロワット以上にする。  劉司長は、現時点において中国で運転中の原子炉は21基で発電容量は1902万キロワットと説明。建設中のものは27基と世界最多で、発電容量は2953万キロワットという。  原子炉を時代で分類すれば、1950年代に運転が始まった実証などを大きな目的とする第1世代原子炉、その後、商用目的で盛んに建設された第2世代原子炉、1990年代以降に開発された効率や安全性、運用寿命を向上された第3世代原子炉となどとなる。現在は第2世代から第3世代への転換期だ。  劉司長は「わが国が自主設計した第3世代原子炉の『華龍1号』はすでに、国家能源局核電司と国家核安全局が共同で行った審査に合格した」と述べた。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国は2020年までに中国沿海部を中心に原子力発電所の建設を急ピッチで進める。全国における原発による発電容量を5800万キロワットにする計画だ。2011年に稼働を取りやめた東京電力の福島第一発電所の約12.4倍の原発発電能力となる。新京報などが報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-12-05 13:45