中国にとって千載一遇のチャンスだ  「原油価格下落」でコスト削減に=中国メディア

 中国メディアの華夏時報は5日、国際原油価格が下落していることについて、「世界の政治が絡み合う石油市場において、中国が最大の勝者になる可能性がある」と伝え、原油価格の下落によって300億米ドル(約3兆6354億円)ものコスト節約につながると論じた。  記事は、国際原油価格が下落を続けるなか、OPEC(石油輸出国機構)が減産を見送ったことを紹介、それによって原油価格は1バレル米70ドル(約8480円)を割り込んだと報じた。続けて、2014年6月から12月までにすでに原油価格が40%も下落していることを伝えた。  さらに、中国のエネルギーに関する情報サイトである中国能源網の関係者の話として、「中国にとって原油価格の下落は短期的には生産コストの低減など経済を刺激する効果が期待できる」としながらも、長期的には貿易額の減少を招くと紹介。  一方、原油価格の下落の背景には米国やサウジアラビア、ロシアの思惑が複雑に絡み合っていることを挙げたうえで、「中国は米露の駆け引きとは関係のない位置にいるものの、現時点では静観するしかない」と伝えた。  また記事は、世界最大のエネルギー需要大国である中国は「米国やロシアによる原油競争の最大の勝者になる」とし、原油の国内需要にうち60%を輸入に頼っている中国にとって「原油価格がさらに下落を続ければ、2014年末までに300億米ドル分も輸入コストを削減することができる」と指摘。  さらに、中国の石油備蓄にとっても「またとないチャンス」だとする一方、「今後も原油価格が低迷すれば、中国政府が推し進めている再生エネルギー活用といった政策に影響が出る可能性がある」と指摘。原油価格が下落すれば再生エネルギーの価格優位が相対的に薄れることになるため、中国のエネルギー構造の改革や環境保護にとってはマイナスになる可能性があると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの華夏時報は5日、国際原油価格が下落していることについて、「世界の政治が絡み合う石油市場において、中国が最大の勝者になる可能性がある」と伝え、原油価格の下落によって300億米ドル(約3兆6354億円)ものコスト節約につながると論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-12-09 09:30