【為替本日の注目点】株安で調整のドル売り出るか、「買い場」を探る

 NY市場  昨日の朝方121円85銭まで上昇したドル円は、利益確定の売りや株安などから大きく下落。NY市場では120円20銭まで下落し、クリスマス休暇前にさらに調整のドル売りが出るのかどうかに注目。ユーロドルは1.22台半ばからドル安ユーロ高が進み、1.2343まで反発。ただ、来年早々には量的緩和も見込まれていることから上値も限定的との見方も。  株価は反落。労働市場情勢指数が前月よりも悪化していたことが重石となりダウは100ドルを超える下げに。債券相場は反発。原油安が一段と進んだことで、インフレ率の低下圧力になるとの見方が広がり債券が買われた。金は反発、原油は2ドルを超す下げに63ドル台まで下落。  11月労働市場情勢指数(LMCI)→ 2.9  ドル/円 120.20  ~ 121.11  ユーロ/ドル 1.2249 ~ 1.2343  ユーロ/円 148.18 ~ 148.80  NYダウ -106.31  → 17,852.48ドル  GOLD +4.50  → 1,194.90ドル  WTI -2.79  → 63.05ドル  米10年国債 -0.040 → 2.260%  本日の注目イベント  独   独10月貿易収支   独   独10月経常収支   英   英10月鉱工業生産   昨日の早朝に121円85銭まで上昇したドル円は、経済指標の悪化や株安などから、やや調整らしき動きに、上昇は一旦止まっています。先週末の良好な雇用統計を受け121円69銭までドル高が進んだNY市場の高値を上回った割には、その後伸び悩み、これまでとは何か異なるものを感じましたが、ようやく一息ついた格好です。  昨日のこの欄でも触れましたが、今のペースで円売りが進むと、年内にも124円台まで円安が進みそうな雰囲気でしたが、やはり小幅な調整が見られ、むしろ今後の相場展開にはプラスの面もありそうです。今回の調整も高値から1円65銭前後下げた後反発しています。このまま再び121円を目指すようなら、これまでと同様「1円から1円50銭前後」の調整で終わってしまいますが、まだなんとも言えません。今日明日で120円を割り込むような展開になると、「本格的な調整」が見られるかもしれません。  ほぼ一本調子で上昇してきたドル円ですが、投機筋の円売りポジションも直近では、10月7日以来となる11万枚を超える高水準になっています。現在のドル円の水準と、クリスマス休暇前という特殊な事情を考えれば、やはり手仕舞いのドル売りが出てもおかしくはないと考えることは、多くの専門家の一致した見方です。その意味では今日の東京市場と海外市場の動きには注目が集まります。120円を下回るようなら、これまでとは異なる調整入りが見られそうですが、再び121円台に乗せるようだと一段の円安もありそうで、年末から来年を予想する上で重要な値動きになるかもしれません。  FRBが発表した労働市場情勢指数(LMCI)は「2.9」と、先月の「4.0」から悪化していました。雇用統計では雇用者数が大きく上振れしたことで利上げ前倒し観測が台頭しましたが、労働市場を総合的に表す本指数が悪化していたことで利上げ観測はやや後退です。また、アトランタ連銀のロックハート総裁は講演で「米金融当局は事実上のゼロ金利からの利上げの開始を待つべきだ」と指摘し、その理由として「後になって政策を反転させれば、当局の信頼性を損なうことになる」と述べています。(ブルームバーグ)  NYダウは1万8000ドルの大台を前に足踏みをし、日経平均株価も昨日は1万8000円に乗せる場面はありましたが、引け値での大台乗せには失敗しています。14日の衆院選では自民党の300議席確保も濃厚です。引き続き、アベノミクスの拡大が規定路線になろうとしていることを考慮すれば、やはりドル高円安の流れは不変で、どこかでドルを仕込む「買い場」を探る戦略でいいのではないでしょうか。今日は株価の下落で、どこまでドルが売られるかを見極める展開が予想されます。レンジは120円~121円程度を見たいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
昨日の朝方121円85銭まで上昇したドル円は、利益確定の売りや株安などから大きく下落。NY市場では120円20銭まで下落し、クリスマス休暇前にさらに調整のドル売りが出るのかどうかに注目。ユーロドルは1.22台半ばからドル安ユーロ高が進み、1.2343まで反発。ただ、来年早々には量的緩和も見込まれていることから上値も限定的との見方も。
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2014-12-09 09:45