野村證券、顧客の人生に向き合う豊富なコンサルティングメニューを展開

 デフレ脱却の経済政策が進み、日本経済は「円高・株安」から「円安・株高」に大きく転換した。新しい環境を前にして、これからの資産運用をどのように考えれば良いのか。野村證券常務執行役員の新井聡氏とモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏、そして、フリーアナウンサーの魚住りえ氏が語り合った。野村證券の新井氏は、「マーケットの優れた見通しによる運用提案も重要であるが、お客さまのニーズに合わせたオーダーメードの提案や、ライフプランに合わせた豊富なコンサルティングメニューは必要不可欠なサービス」と語っている。(写真は、「ハッピーライフ・カード」の使い方を説明する野村證券の新井聡氏<中央>と、魚住りえ氏<左>と、モーニングスターの朝倉智也氏<右>) ■脱デフレ(インフレ)時代の資産運用は?  デフレ脱却への足取りが確かなものになる中で、インフレの芽が出てきた。野村證券の新井氏は、「インフレ下では、預貯金だけでは資産価値の目減りが避けられない」とし、「資産運用を前向きに検討すべき時代になった」と語った。当然ながら先行きにはリスクがある中で、モーニングスターの朝倉氏は、「改めて分散投資の必要性が問われている」とし、「特定の国の、特定の資産ではなく、複数の国や資産に分散投資することが肝心です。経験豊富な専門家の力を借りるのが安心でしょう」と返している。  このようなやり取りを聞いていた魚住氏は、「専門家に運用を一任する『投資一任』の残高が増えているのには、そうした背景があるのですね」と納得していた。  新井氏は、このところの投資一任サービスの拡大について、「そもそも人生が人それぞれ異なるように、資産運用のやり方も人それぞれ異なっていて当然です。お客さま一人ひとりの資産運用に対する考え方や価値観、資金の性格などを尊重する投資一任サービスは、全ての個人にとって潜在的なニーズがあると考えます」と解説している。 ■オーダーメード型で需要が伸びる「野村ファンドラップ」  一方で、魚住氏は自身が投資未経験であることから、投資一任サービスについて「運用に関する自分の考えを聞かれても説明が難しいです。『堅実にお願いします』としかいえません」と心配した。  そこで、新井氏は、野村證券の投資一任サービスである「野村ファンドラップ」を取り上げ、「スタートから現在まで数多くの事例を経験し、ノウハウを蓄積してきました。その結果、サービスレベルが向上したことによって、それが残高増加の原動力になっているのでしょう」と紹介。「『野村ファンドラップ』では、まず専属の営業担当者が簡単な質問をし、そちらにお答えいただくだけで、リスク許容度に応じた最適な運用スタイルを提案させていただきます」と、投資が未経験でも最適な提案が可能と語った。  また、「『野村ファンドラップ』には、定期的なリバランス機能と運用報告が内包されており、機関投資家向けの運用に近似しています。さらに重要なサービスとして営業担当者が定期的に状況を説明するフォローアップがあります。大きなライフイベントの変化があれば、改めてヒアリングさせていただいた上で資産配分比率を見直すなど、フォローアップ体制が充実していることで、運用スタート後に預け入れ資産を増額したり、長期的なお付き合いを希望されるお客さまが増えています」と紹介した。  「野村ファンドラップ」について、朝倉氏は「リスク許容度に応じたオーダーメードの運用と定期的な見直しを行う投資一任サービスが、個人でも手軽にかなえられる」と高く評価。魚住氏も、「自分に適した運用スタイルを提案してくれる、そして、機動的に見直しをしてくれて、それをきちんと報告してくれるサービスということで、これなら投資初心者でも安心です」と、サービス内容に感心していた。 ■野村證券が注力するコンサルティングサービスとは  さらに、朝倉氏は新井氏が紹介した「野村ファンドラップ」の説明を聞いて、「証券会社というと、商品ありきのイメージがあります。利益を期待できそうな商品をまず提案し、それが顧客のニーズとマッチしていなければ、別のものを提案するというようなスタイルです」と、顧客のニーズに合わせた運用スタイルに意外感を持ったと語った。  新井氏は「株式や債券、為替の優れた見通しに基づく銘柄や商品の提案も重要なサービスの一つです。一方で、お客さまのニーズに応じたオーダーメードの資産運用を提案するのも、これからの証券会社のサービスには必要不可欠なサービスと考えます。当社は2015年で90周年を迎えますが、お客さまからさらなる信頼をいただけるよう、こうしたコンサルティングサービスに注力しており、投資一任サービスはその一例にすぎません」と答えた。  この答えに対し朝倉氏は、「成長から成熟の時代になり、人々の価値観も多様化しているといわれます。そうなるとオーダーメードの商品やサービスが求められるのでしょう。そこにフォーカスしているのは素晴らしいことです」と返した。  そこで、新井氏は、コンサルティングメニューの一端を紹介し、1時間ほどのヒアリングを通じて将来のキャッシュフロー予測や最適な資産配分比率、相続税の簡易シミュレーションなどを行うファイナンシャルプラニングツール「野村の『資産設計』」、また、金融資産だけでなく保有不動産などについてもヒアリングを行い、次世代を見据えたレポートを作成する「資産承継あんしんパック」について説明した。  そして、「メニューが豊富なのはうれしいですが、何を相談すればいいか悩んでしまいそうです」という魚住氏に対し、新井氏は新たに開発したという「ハッピーライフ・カード」を取り出し、「この中で一番気になるイベントはなんですか」と語りかけた。「ハッピーライフ・カード」とは、「相続」「家族」「税金」など人生に関わるキーワードを、知っておきたい豆知識と一緒に1枚のカードにしたもの。コンサルティングのきっかけや優先順位を検討する際に利用しているという。  「ハッピーライフ・カード」について、朝倉氏は「これはシンプルですけど、コミュニケーションが促され、漠然とした悩みを具体的に考えるのに最適です。画期的なツールですね」と高く評価。魚住氏も「『趣味・娯楽』なんてカードもあるんですね。会話を通じて、営業担当の方とぐっと近くなる印象を受けます。これなら気軽に相談できそうです」と、新井氏の実演に興味津々になっていた。  最後に新井氏は、野村證券の強みは「独自のツールに加え、お客さまの相談に親身に対応する営業担当者」とした上で、「当社では、フォローアップとメンテナンスを重視しています。一度提案したらそれでおしまいではなく、お客さまのライフイベントに合わせて、提案内容を見直していきます。将来の目標や価値観を継続してフォローすることによって、お客さまが安心して人生を過ごせるような末長いサポートをしていきたいと思います」と、豊富なコンサルティングメニューを使っての営業姿勢について語った。(編集担当:徳永浩)
これからの資産運用をどのように考えれば良いのか。野村證券常務執行役員の新井聡氏とモーニングスター代表取締役社長の朝倉智也氏、そして、フリーアナウンサーの魚住りえ氏が語り合った。(写真は、「ハッピーライフ・カード」の使い方を説明する野村證券の新井聡氏<中央>と、魚住りえ氏<左>と、モーニングスターの朝倉智也氏<右>)
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2014-12-09 14:30