大人気の毎月分配型ファンド 300円/月の高額分配ファンドも出現=SBI証券に聞く

 個人投資家に大人気の毎月分配型ファンド。最近では、1万口当たり200円、または、300円という高い分配金を出すファンドもあり、投資家の人気を集めている。SBI証券投資信託部長の瀬畑史郎氏(写真)は、「毎月分配型ファンドは、当社でも売れ筋ファンドランキングに常に入っている人気カテゴリで、当社の投信保有者のうち約4人に一人は、毎月分配型ファンドをお持ちになっています」と語る。瀬畑氏に、毎月分配型ファンドの人気の傾向などについて聞いた。 ――毎月分配型ファンドの人気が続いていますが、毎月分配型ファンドの中でも人気銘柄に変化はありますか?  毎月分配型ファンドの魅力は、やはり毎月一定額がお小遣いのように入る事で、当社では20代の若いお客様から50代・60代の年輩のお客様まで、幅広く人気があります。  毎月分配型ファンドの傾向としては、高額な分配金を出すファンドが増えてきていることがあげられます。その中でも特に高い人気があるのは、大和住銀投信投資顧問の「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」です。  このファンドは、2014年4月に設定された比較的若いファンドですが、7月の初回分配から1万口当たり300円(税抜)の高額分配を6カ月連続で実施しています。投資対象が「日本株」で毎月高分配を実施しているファンドは他にあまりなく、毎月分配型ファンドのファンのかただけでなく、日本株に投資したいとお考えのかたにもお勧めの1本といえます。  高分配ファンドの特徴としては、「カバードコール戦略」などのオプション取引を活用し、安定的に高い分配金を支払えるよう工夫をしている点です。「カバードコール戦略」とは、ある資産に投資し、その資産を保有しつつ、コールオプション(予め定めた価格で買う権利)を売却する戦略です。保有資産の一定水準以上の値上がり益を放棄することになりますが、対価としてプレミアムを受け取ります。このプレミアム収入を分配金の原資に積み増し、高い分配金を可能としています。  「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」の場合は、株式及び通貨の「カバードコール戦略」によるオプションプレミアムと、日本円と高い金利の通貨(当初はブラジルレアル)間での為替取引による金利差相当分収益(プレミアム)の確保を目指す運用を行っており、高分配を実現している秘密はこれらの多様な収益源にあります。  カバードコール型ファンドには、世界の高配当株式等に投資するニッセイアセットマネジメントの「ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月分配型)」や、世界のREIT・不動産関連銘柄などに投資する損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの「損保ジャパン・グローバルREITプレミアム・ファンド 通貨セレクトコース」など、投資対象も様々なラインナップがあります。これらを組み合わせて、毎月複数回分配金を受け取れるようにする運用も、分配金を受け取る楽しみが増えご利用されているかたが多いです。  一方で、原資産の値上り益もきちんと享受したいとお考えのかたには、「カバードコール戦略」などを活用していないプレーン型の毎月分配型ファンドがお勧めです。当社では、米国REITに投資する新光投信の「新光US-REITオープン(愛称:ゼウス)」や、ピクテ投信投資顧問の「ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコース」、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「世界インフラ関連好配当株式通貨選択型ファンド(米ドルコース)」など、豊富なラインナップを取り揃えていますので、毎月分配の楽しみも得つつ、これから値上りすると思われるセクターに積極投資したいかたは、是非、好みのファンドを探してみてください。 ――毎月高い分配金が出ている毎月分配型ファンドに投資する際に、注意する点はありますか?  毎月分配型ファンドでご注意頂きたいことは、分配金を支払えるだけの十分な利益が出ていないにも関わらず、高額な分配金を支払い続けているいわゆる「タコ配」ファンドです。  これらは、結果として基準価額が下がり続ける傾向にあり、毎月分配金を受け取っている一方で、基準価額の値下がりで結果として損をしてしまう可能性もあるので、その点は十分注意して銘柄を選んでいただく必要があります。(編集担当:徳永浩)
SBI証券投資信託部長の瀬畑史郎氏(写真)に、毎月分配型ファンドの人気の傾向などについて聞いた。
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2014-12-09 14:45