【今週の注目銘柄】波乱相場でJTの海外安定度にフォーカス
前週の日本株は激しい値動きが続いた。なかでも、日経平均に大きく影響する主力株がこれといった株価材料もなしに急騰・急落を繰り返した。
全体の動きにアベノミクス相場初期のような明確さがなく、また、物色される株式テーマも、LINE関連や3Dプリンター関連、太陽電池関連、都知事選を巡る新エネルギー関連など「雲をつかむ」ような話が多いだけに、おそらく今週の日本株市況も、方向感のない一進一退の相場が続くと見込まれる。
こうした状況のなかで注目したいのは、海外で安定した売上を誇る企業。国内は今春以降、増税による消費の反動減が想定されるため、内需銘柄を買うのはタイミングが難しい。その点、海外で稼ぐ企業は為替の円安寄与もあり、業績面でも手がけやすい。
JT <2914> は国内タバコのイメージが強いが、今3月期9月中間期時点のタバコ事業の売上高は、国内が3644億円に対して海外が6144億円と、まさに「グローバル企業」。しかも、欧州やロシアなど景気の最悪期から脱しつつある国・地域での売上が多いため、ここからの下ブレリスクは高くない。
また、JTは通期為替前提レートをドルで95円から97円に修正したが、現状の為替水準は続けばさらなる為替差益が見込まれるし、営業利益で見ても、中間期時点の進ちょく率は55.0%と高い。
さらに、同社は経営計画で中期的な株主還元の充実を打ち出しており、「高配当利回り銘柄」として、NISA(少額投資非課税制度)投資向けのポートフォリオの構成銘柄としても有望といえる。
1月末に控える3Q業績発表に注目が集まるほか、増税後の国内たばこの価格改定や政府の保有株放出など、話題性も高い。株価は3200円前後でもみ合っており、成長力を加味すれば割安な水準にある。(編集担当:片岡利文)
前週の日本株は激しい値動きが続いた。なかでも、日経平均に大きく影響する主力株がこれといった株価材料もなしに急騰・急落を繰り返した。
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2014-01-19 10:00