【為替本日の注目点】円急騰を受け日経急落、上海総合指数にも注目
NY市場
ドル円は大幅な調整が起き、一時117円90銭まで下げる。アジア時間の121円から、約3円10銭ほどの円高が進む。ただNY時間の引けにかけては株価の回復もあり、119円60-70銭まで反発して取引を終える。ユーロドルも大きく買い戻される。1.23台半ばから1.24台半ばまでユーロ高が進み、ユーロ円では円買いが勝る。
株式市場は中国やギリシャを巡る懸念から世界的に株価が軟調に推移。ダウは51ドル下げたものの、ナスダックは25ポイント上昇とまちまち。債券相場は続伸。中国の融資規制やギリシャの政局不安を背景に債券価格は上昇。長期金利も再び2.21%台まで低下。ドル安が進行したことで、金や原油は反発。金は約3%の上昇で1230ドル台を回復。
ドル/円 117.90 ~ 119.79
ユーロ/ドル 1.2363 ~ 1.2447
ユーロ/円 146.77 ~ 148.19
NYダウ -51.28 → 17,801.20ドル
GOLD +37.10 → 1,232.00ドル
WTI +0.77 → 63.82ドル
米10年国債 -0.044 → 2.216%
本日の注目イベント
中 中国 11月消費者物価指数
中 中国 11月生産者物価指数
中 中国 11月マネーサプライ
米 11月財政収支
「山高ければ谷深し」とはよく言ったもので、昨日はこれまでには見られなかった「大幅な調整」が見られ、ドル円は東京時間の121円を頂点に、117円90銭まで一気に巻き戻しが起こり、急激なドル安に振れました。中国が融資に対する規制を強化することや、ギリシャの政局不安、さらには格付け会社フィッチが日本国債の格下げを検討しているなどの噂も飛び交い、欧米の株式市場が下げたことが直接のきっかけの様でした。ただ材料的には118円割れまでドルを売る材料とも思えず、やはりこれまでの積み上がった円売りを買い戻したと見るべきでしょう。
この欄でも、いつか来る「大幅な調整局面」への警戒を怠らないよう注意を促がして来ましたが、一日で3円を超える巻き戻しは「大幅な調整」と考えていいでしょう。チャートでは。118円割れを見せた後急激に値を戻しており「長い下ひげ」を示現しています。これは今年10月15日の105円台まで下落したパターンと良く似ています。現段階では「健全な調整」と捉えることができますが、今後NY株式市場が大幅な下落を見せるようだと、やや今のドル高センチメントに影響を与える可能性も出てきそうです。
昨日の相場展開では、さすがに118円割れを予想できた市場関係者はそう多くはいません。従って、118円半ばから下値でドルを買えている人はそれ程多くはないと考えられます。ドル買い注文がそれ程多くなかったことで、ドルの急落が起きたともいえます。そのため、今日は118円台では多くのドル買い注文が集まると予想でき、ドル下落を抑制しそうです。
主要株式市場の下落で、ややリスクオフが強まってきました。ドル円も121円台では達成感も出てきています。今日は円急騰を受け、日経平均株価がどこまで下落するかを見極め、さらに中国の経済指標も発表されることから上海総合指数にも目配りが必要です。
株価が300円以上下げるようだと、119円割れがあるかもしれません。今度の日曜日の衆議院選挙の自民勝利予想や、来週のFOMCで利上げへのステップを切るのではないかとの予想を踏まえたら、ドル高の流れは不変だと思います。無理をせずに、じっくりドルの買い場を探す姿勢を維持して行く戦略でいいと思います。
今日も荒っぽい値動きが予想されます。予想レンジも簡単ではありませんが、118円50銭~120円程度を見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は大幅な調整が起き、一時117円90銭まで下げる。アジア時間の121円から、約3円10銭ほどの円高が進む。ただNY時間の引けにかけては株価の回復もあり、119円60-70銭まで反発して取引を終える。ユーロドルも大きく買い戻される。1.23台半ばから1.24台半ばまでユーロ高が進み、ユーロ円では円買いが勝る。
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2014-12-10 09:45