【株式・為替相場展望】米国株次第で方向感に乏しい展開を想定、次週の米FOMCを控えて思惑が交錯
(20~24日)
来週(1月20日~24日)の株式・為替相場は米国株次第で方向感に乏しい展開を想定する。年末高の反動や米12月雇用統計の意外な結果を受けた混乱は和らぐが、次週28日~29日の米FOMC(連邦公開市場委員会)を控えて思惑が交錯する。国内要因としては21日~22日の日銀金融政策決定会合で追加緩和の可能性が小さく、一方では東京都知事選に向けての思惑が警戒要因となりそうだ。
米12月雇用統計で非農業部門雇用者増加数が市場予想を大幅に下回る意外な結果となったことについては、一部地域を襲った寒波の影響という見方が優勢だが、こうした状況下で米FRB(連邦準備制度理事会)が28日~29日のFOMCでも量的緩和の規模縮小を継続するかどうかが焦点となる。市場の混乱を回避するため規模縮小を継続するとの見方が優勢だが、やはり結果を見極めたいとする動きが強まりそうだ。本格化している米主要企業の決算はサプライズに欠けるため、全体に与える影響も限定的だろう。
国内要因としては、消費増税による景気腰折れを防ぐための日銀の予防的な追加緩和に対する期待感が高まっているが、21日~22日の日銀金融政策決定会合で追加緩和に踏み切る可能性は小さいだろう。一方では2月9日投開票の東京都知事選が安倍晋三内閣に与える影響が警戒要因となるだけに、20日に予定されている細川元首相の記者会見や、その後の各メディアによる世論調査が注目されそうだ。
なお20日には中国13年第4四半期(10~12月期)GDPが発表される。市場予想の前年比7.6%プラス成長に対して大きく振れる可能性が小さく反応は限定的だろう。ただし市場予想を下回った場合には、中国の景気減速をある程度は織り込んでいるとはいえ、一時的にリスクオフの動きを強める可能性があるだろう。
前週は日本市場が休場の13日に為替が一時1ドル=102円台とドル安・円高方向に傾いたことを受けて、日本株は3連休明け14日に大幅下落するなど不安定な動きもあった。ただし週間ベースで見ると日経平均株価は177円60銭(1.12%)下落、TOPIXは1.09ポイント(0.09%)下落にとどまり、為替も1ドル=104円台に戻している。年末大幅高の反動、米12月雇用統計を受けた為替のドル売り・円買いと米国株の下落という混乱が週後半には和らいだ形だ。
そして東証1部市場の売買代金は1月17日まで17営業日連続で2兆円を超え、日経ジャスダック平均株価が昨年来高値を更新するなど中小型株への資金流入も継続している。先行きに悲観的な見方が広がっている状況ではないようだ。ただし来週に関しては様子見ムードを強める可能性もあるだけに、東証1部市場の売買代金が焦点となるだろう。
物色面では、来週後半から始まる国内主要企業の第3四半期(10月~12月)業績発表が注目されるが、全体としてはNISA(少額投資非課税制度)や新株価指数「JPX日経インデックス400」への関心を背景に、引き続き指標面に割安感の強い出遅れ株やROE(自己資本利益率)の高い中小型株の個別物色が中心となりそうだ。また1月17日終値のNT倍率は12.13倍となり、1月10日終値の12.25倍からやや低下したが依然として高水準であり、主力株に関しては引き続きNT倍率是正の動きが続く可能性があるだろう。
その他の注目スケジュールとしては20日の中国12月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、21日の独1月ZEW景気期待指数、23日の中国1月製造業PMI速報値(HSBC)、ユーロ圏1月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、米11月住宅価格指数、米12月中古住宅販売、米12月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米12月シカゴ連銀全米活動指数、そして22日~25日の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)などがあるだろう。
その後は1月27日の日本12月および13年貿易統計、28日の米大統領一般教書演説、28日~29日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、30日の米第4四半期GDP速報値、2月5日~6日の英中銀金融政策委員会、6日のECB理事会、7日の米1月雇用統計、17日~18日の日銀金融政策決定会合などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
17日は、業績予想を昨日増額修正した日本電産コパル電子<6883>(東1)が急伸して14.9%ストップ高。
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2014-01-19 19:15