資生堂はひとまず1700円台奪回へ、3Q決算発表次第で2000円も
資生堂 <4911> の株価は高値圏から一旦反落したが、足元で調整一巡感を強めている。収益改善を評価する流れに変化はなく、1月31日予定の第3四半期累計(4月~12月=3Q)業績発表が接近して見直しの動きが強まりそうだ。
国内外での売上低迷、買収した米ベアエッセンシャル社関連の減損損失などで前期(13年3月期)の収益が大幅に悪化したが、迅速に事業構造改革を実施して収益改善を進めている。中期的には国内、中国、米ベアエッセンシャルの3領域に経営資源を集中する方針で、国内では中高価格帯商品へのニーズの高まりに対応し、海外ではブランド刷新も検討するようだ。
13年5月には、レプリセル社(カナダ)の「毛髪再生医療技術(RCH-01)」導入の技術提携契約に基本合意し、美容と医療を融合した安全で有効な毛髪再生医療の事業化を目指している。また13年10月にはフランス子会社の株式および資産についてロレアル社(フランス)から譲渡提案を受け、独占交渉契約を締結して交渉を開始している。
今期(14年3月期)の連結業績見通し(10月31日に2回目修正、売上高、営業利益、経常利益を増額、純利益を減額)については、売上高が前期比9.2%増の7400億円、営業利益が同53.6%増の400億円、経常利益が同44.3%増の410億円、純利益が150億円(前期は146億85百万円の赤字)としている。国内化粧品事業の店頭在庫適正化に向けた出荷抑制を実施し、店頭在庫回収に伴う特別損失も計上するが、事業構造改革の効果が寄与する。為替も通期の想定(1米ドル=97円、1ユーロ=127円)より円安水準であり、通期3回目の増額の可能性があるだろう。なお1月31日に第3四半期累計の業績発表を予定している。
国内・化粧品販売会社の月次売上動向(前年比)を見ると、13年10月がプラス5%、11月がプラス9%と下期に入って好調を維持している。11月は「エリクシール シュペリエ」や「マキアージュ」の伸長に加えて、前年に「エリクシール」旧商品を回収した影響の一巡も寄与したようだ。
株価の動きを見ると、昨年9月30日に高値1796円を付けた後は上げ一服の展開となり、12月以降はやや水準を切り下げて調整局面となった。ただし足元では1600円近辺で下げ渋る展開となり、調整一巡感を強めている。収益改善を評価する流れに変化はないだろう。
1月17日の終値1624円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS37円66銭で算出)は43倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績連結BPS722円42銭で算出)は2.2倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、昨年8月~9月に上値のフシだった1600円近辺が下値支持線となりそうだ。調整が一巡して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
資生堂<4911>(東1)の株価は高値圏から一旦反落したが、足元で調整一巡感を強めている。収益改善を評価する流れに変化はなく、1月31日予定の第3四半期累計(4月~12月=3Q)業績発表が接近して見直しの動きが強まりそうだ。
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2014-01-20 09:30