「医療目的」で外国に行く中国人が増えている=中国メディア

 中国メディア・南方都市報は15日、「外国に行って医者にかかる中国人が増えているのはなぜか」とする評論記事を掲載した。  記事はまず、シンガポールや香港など中国国外のメディアが「米国、英国、韓国などの医療先進国に行って医者にかかる中国人が増えており、1人あたり支払う医療費は15万米ドル(約1782万円)前後であり、70%が腫瘍のある患者である」と報じたことを紹介。国内メディアも最近、広東省や福建省で介護を受けていた香港人高齢者が、内地(中国大陸部)の医療サービス不足を理由に香港に戻ったことを伝えたとした。  そのうえで、医療目的で国外に渡る中国人が増加傾向にあり、かつ富豪ではない層にまでその傾向が及んでいることについて「多くの人が理解できない」と問題提起した。  専門家が説明するおもな原因として、記事は「中国の医療サービスや医療技術に対する不信」を挙げた。大都市にある著名な病院は毎日人であふれ、また患者の大部分は地方からやって来るとし、この状況が医療のリソース不足、医療スタッフの労働の時間と負担増加といった問題を引き起こしており、経済能力のある一部の国民がより費用のかかる国外の私立病院に行く傾向を生んでいるとした。  このほか、医療リソース配分の不均衡や、公務員と非公務員、農村住民と都市住民間で医療保険の待遇に差があること、国内の医療技術や新薬開発レベルが先進国に大きく遅れていること、「医」と「薬」の癒着が強く、薬品や医療器械の購買をめぐる賄賂が存在すること、政府の薬品管理が厳しく、国外の薬品を正規ルートで手に入れることが難しいことなどを理由として示した。  そして「いずれも、国内の医療条件や薬品の質が満足いくものでないことを説明している」と総括した。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・南方都市報は15日、「海外に行って医者にかかる中国人が増えているのはなぜか」とする評論記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-12-15 14:30