【為替本日の注目点】原油安で円上昇、世界株安ドル円下値を試すか
NY市場
原油価格の下げが世界的な株価の下落につながり、ドル円を押し下げる。「リスクオフ」の流れがメインとなり、円は主要通貨に対して上昇する中、ドル円は117円56銭まで下落。ユーロドルはFOMCを前にポジション調整から1.2478までユーロ高が進む。1.24台では方向感もなく、売り買い交錯。
株価は続落。鉱工業生産が予想を上回ったものの、原油安が重石となりダウは3日続落。他の株価指数も軒並み下落。債券相場は反落。FOMCでは文言が変更されるとの見方が強く、債券価格は下落。金は4日続落。原油はUAEが減産に対して否定的だったことから55ドル台まで続落。
11月鉱工業生産 → +1.3%
12月NAHB住宅市場指数 → 57
12月NY連銀製造業景気指数 → -3.58
ドル/円 117.56 ~ 118.96
ユーロ/ドル 1.2415 ~ 1.2478
ユーロ/円 146.47 ~ 147.80
NYダウ -99.99 → 17,180.84ドル
GOLD -14.80 → 1,207.70ドル
WTI -1.90 → 55.91ドル
米10年国債 +0.038 → 2.118%
本日の注目イベント
豪 RBA議事録
中 中国 12月HSBC製造業PMI(速報値)
独 独12月ZEW景況感指数
欧 ユーロ圏10月貿易収支
英 英11月消費者物価指数
米 11月住宅着工件数
米 11月建設許可件数
原油価格の下落が止まりません。昨日のWTI原油価格は、OPECの減産を否定するアラブ首長国連邦(UAE)の発言が嫌気され、約5年ぶりの安値となる55ドル台まで下落しました。UAEの石油相は、原油価格が1バレル=40ドルに下げても減産を見送るだろうと述べています。
原油価格の下落が、NY株式市場の下落につながり、「リスクオフ」モードが再燃。円はドルだけではなく主要通貨に対して買い戻されています。ドル円は117円56銭までドル安円高が進み、先週記録した117円43銭も意識される展開です。この水準を下抜けすると、11月19日以来となる116円台もあるかもしれません。
原油価格の下落は80ドル台後半から始まりました。当初、原油価格の下落は車社会の米国にとっては「プラス」と見られており、株価も上昇していました。それが、65ドルを割り込むころから、株価に「マイナス」との見方が定着し、足許では原油が下がれば株が売られる構図です。ブルームバーグによると、米国の原油生産が30年ぶりの高水準となり、世界的に供給余剰が拡大していることが背景だとしていますが、原油先物市場もかなり投機的な動きが相場を支配していることも事実で、何かのきっかけで急反発することも十分考えられます。
ドル円は「日足」を見ると、昨日までの下落でも「基準線」で支えられている格好です。現在「基準線」は118円22銭前後にあり、これまで4日間は概ねこのレベルで下げ止まっています。しかし、今日は「基準線」を下回って取引が開始されておりドルの下値を試す展開が予想されます。
衆院選で自民党がまずまずの勝利を収めたにもかかわらず、昨日の日経平均株価は大きく下げました。これは衆院選の結果というよりも、先週末のNY株式市場が大幅に下落したことによる影響だと見られます。円安と株高がセットで急速に進行し、市場がやや楽観的になっていたところに原油安が起こり、為替市場と株式市場では巻き戻しが活発になっている状況です。このような動きは、米国が来年利上げに踏み切る前後におこるのではないかと予想していましたが、今の段階で調整が行われていることは、むしろ利上げに伴う混乱が軽微で終わることになる可能性もあります。
今日も株価の行方に注意しながら、ドル円がどこまで下がるかが焦点になります。下値のメドは先ず、NYの安値である117円55銭前後です。そして、先週記録した117円43銭も意識されることから、117円台半ばが重要なサポートと見ることが出来ます。さらに、4時間足の「200日線」がある、117円12銭前後も重要な値位置です。予想レンジは117円~118円50銭程度と考えます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
原油価格の下げが世界的な株価の下落につながり、ドル円を押し下げる。「リスクオフ」の流れがメインとなり、円は主要通貨に対して上昇する中、ドル円は117円56銭まで下落。ユーロドルはFOMCを前にポジション調整から1.2478までユーロ高が進む。1.24台では方向感もなく、売り買い交錯。
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2014-12-16 09:30