【為替本日の注目点】株価悲観論が台頭で荒れ相場、イエレンに注目
NY市場
原油安に伴いルーブルの下落が止まらないことから、リスク回避の動きがさらに強まり、ドル円は一時115円57銭まで急落。株安、金利低下もあり、円の買い戻しが加速。その後は原油価格が小幅に反発したことで、116円台半ばまで戻して引ける。ユーロドルも買い戻しが進み、約2週間ぶりに1.25台まで上昇。
株式市場は続落。投資家のリスク許容度が低下し、株価の下落圧力に。ダウは4日続落し、かろうじて1万7000ドルの大台はキープ。ロシアの金融市場の混乱から米国債は買いを集め、長期金利は低下。金は続落し、原油価格は一旦下げ止まったものの、反発力は弱く前日とほほぼ変わらずの55.93ドルで引ける。
11月住宅着工件数 → 102.8万件
11月建設許可件数 → 103.5万件
ドル/円 115.57 ~ 117.75
ユーロ/ドル 1.2478 ~ 1.2570
ユーロ/円 145.31 ~ 147.01
NYダウ -111.97 → 17,068.87ドル
GOLD -13.40 → 1,194.30ドル
WTI +0.02 → 55.93ドル
米10年国債 -0.059 → 2.059%
本日の注目イベント
日 11月貿易収支
欧 ユーロ圏11月消費者物価指数(改定値)
欧 ギリシャ議会、大統領選出のための第1回投票
英 11月失業率
英 BOE議事録
米 FOMC
米 イエレン議長記者会見
米 11月消費者物価指数
通貨ルーブルを防衛するため、ロシア中銀が大幅に金利を引き上げたにもかかわらず、ルーブルの下げ止まらず、これが世界的な「リスクオフ」姿勢を強め、株安、債券高と安全通貨の円を買い戻す動きにつながっています。昨日の東京では117円台前半で推移しており、一時は118円に乗せる場面もあったドル円は、115円台半ばまで急落しました。
ついに「本格的な調整」が来ました。まだどこまで調整局面が続くか分かりませんが、現時点でドル円は121円85銭の高値から約6円28銭も下落し、率にして5.15%の調整を見せたことになります。調整額としては年初から始まったドル高局面では最大となります。
原油安がここまで大きく金融市場を揺さぶることになるとはやや想定外ですが、足元では原油安による「マイナス」の部分に焦点が当たりすぎているようにも思えます。少なくとも、世界経済にとって原油安は「干天の慈雨」の側面もあり、いずれは「プラス」の部分にも目が向いてくると思います。
日米欧で急速に株価に対する悲観論が台頭してきました。特に日本では2週前の雰囲気とは大きく異なり、弱気論が広がって来ました。今日の株式市場もどこまで下げるかが焦点です。
今年もあと2週間余りで終わろうとしている中、ドル円の値動きには目を見張るものがあります。これも「異次元緩和」の副作用と見ることができますが、今夜もFOMCがあり、週末には日銀の金融政策決定会合が行われ、どちらも議長と総裁の記者会見があります。現在の負のスパイラルを断ち切るという意味で、相当な期待感もあります。
FOMC声明文では、いわゆる「相当な期間」という文言が削除されるのかどうかが注目されており、市場のコンセンサスは、削除され、あらたに「辛抱強く」という文言が挿入されるのではないか、というところです。仮にその様な状況になれば、利上げが近いということで、再び株価が下落するリスクはありますが、このあたりを、イエレン議長が自らの言葉でどのように市場に働きかけるのかにも注目しています。
だた、原油価格の急落は米国のインフレ率低下圧力になっており、「相当な期間」という文言は据え置かれるのではないかという見方も根強くあります。インフレ率を重視すれば据え置かれ、労働市場の回復など、景気を優先すれば文言が外されるということになりそうですが、その意味でも声明文の中身だけではなく、イエレン議長の発言にも注目が集まります。今日の相場もめまぐるしい展開を見せそうです。予想レンジも難しい状況ですが、連日2円程度の値幅を見せていることで、115円50銭~117円50銭程度とします。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
原油安に伴いルーブルの下落が止まらないことから、リスク回避の動きがさらに強まり、ドル円は一時115円57銭まで急落。株安、金利低下もあり、円の買い戻しが加速。その後は原油価格が小幅に反発したことで、116円台半ばまで戻して引ける。ユーロドルも買い戻しが進み、約2週間ぶりに1.25台まで上昇。
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2014-12-17 09:45