世界の原油価格が下落した「5つの原因」=伊メディア

中国メディア・和訊網は16日、世界の原油価格が40%近く下落したおもな原因について、5つにまとめて解説したイタリアメディアのイル・ソーレ・24・オーレの8日付記事を紹介した。
記事は、原油価格が下落した理由として、米国の石油生産力の爆発的増加、地政学的な影響、石油輸出機構(OPEC)が価格調整を速やかに行っていないこと、市場ニーズの委縮、市場の見通しが暗いことの5点を挙げて論じた。
米国の生産力増加については、米国がシェールオイルの採掘で目覚ましい成果を挙げ、今やサウジアラビアやロシアとの直接的な競合者になっていると解説。自国の自給力が大きく増強され、OPECからの石油輸入がすでに半減したとした。
地政学の影響については、これまで米国の生産力増加による影響を相殺してきた、中東地域の政治的な理由による減産状況に変化が生じていることを指摘。リビアの生産力が昨年の3倍にまで回復し、イラクもイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)の影響を受けておらず、この13年で最多の生産量に達したと伝えた。
OPECについては、各国が石油価格の値上げを促すことよりも自国のシェア維持を優先し、続々と価格を引き下げたこと、11月27日のOPEC首脳会議において、減産をせずに石油市場に打撃を与え、米国を主とする競合相手を経済的に追い詰める作戦に出たとした。
市場ニーズの委縮については、欧州の経済衰退に加えて、これまで2ケタ成長を続けてきた中国の成長が鈍化したことを要因に挙げた。そして、悲観的な市場予測では、大部分の投資家が今後も石油価格が下落し続けると考えており、ニューヨークの先物取引では1バレル40米ドルに向けたムードすら出ていると解説。「2015年末に40ドルまで下がることを意味するわけではないが、現在の市場ムードをある程度表している」とした。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディア・和訊網は16日、世界の原油価格が40%近く下落したおもな原因について5点にまとめて解説したイタリアメディアのイル・ソーレ・24・オーレの8日付記事を紹介した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-12-17 10:00