今週の為替相場見通し(2014年1月20日-)=為替王

 為替相場は年末、大幅に円安になりました。年が明けてからは一転して、円安の勢いが止まり、各通貨ともに円高への動きが見られるなど不安定な局面に突入しています。今週まず注目したいのはユーロ。ユーロドルは、昨年下半期、大きく上昇し(ユーロ高・ドル安)、それがユーロ円の大幅な円安を加速させる要因のひとつでもありました。しかし、昨年末から、二番天井の懸念について何度か言及してきました(具体的にいえば、昨年10月下旬に1.38台の高値を記録して、12月も1.38まで上がったところで上値を押さえつけられて反落しています)。また短期的なチャート分析においても下方向を示唆しており、状況としてはよろしくありません。今週は1.35を割れて、目先の下落ターゲットはズバリ1.34台前半と見ています。ユーロドルが予想通り下落するとすれば、当然ながら、ユーロ円の足を引っ張ります。ユーロ円は昨年12月に1ユーロ=140円の大台を超えて、その後もずっと1カ月以上、140円以上の高値圏で推移しており堅調であるように見えます。が、こちらも下落リスクに注意したいです。先週は142円を中心としたレンジで推移していましたが、今週は140円を割れて139円台に突入するリスクを警戒したいと考えます。  豪ドル円については、主要通貨の中ではひと足早く、下落リスクが表面化しており、先週始めは94円近くだったのが、週末には一気に91円台まで下落しました。しかしまだ豪ドルが十分に下落しきったとは考えられません。まず豪ドル米ドルについては、控えめに見て0.87を割れて0.86台突入。最悪の場合、短期間で0.85割れへと下落が拡大するリスクも一応頭に入れておきたいです。それに伴い、豪ドル円もまだ下落リスクを抱えている状態ではないかと考えます。下落ターゲットについては複数の見方ができますが、とりあえず90円に接近。そこで90円の大台を割れるかどうかの攻防があり、さらに言えば、今まで「出遅れていた豪ドルが上昇するとの期待」と、「(豪当局の)豪ドルが高すぎるとの不快感から下落する懸念」とが入り混じって蓄積された相場エネルギーがすべて下方に噴出されると想定するならば、90円を大きく割り込んで87円~86円、あるいはさらに下の目処も浮上することになると考えます。高金利で絶大な人気があった豪ドルですが、現在の政策金利は2.5%と、以前の魅力(2年前は4%以上)はだいぶ薄れ、さらに来月以降また引き下げられる可能性もあり、しばらく警戒態勢をとりたいです。  最後に米ドル円について。先週号で昨年11月以降の円安トレンドが終わったと判断して「目処は103円ちょうど近辺」と書きました。その通り、先週月曜日のNY市場終値で、とりあえず103円ちょうどに到達し、その後は再び104円台まで反発した状態です。今週もどちらかというと下向きのリスクに注意したいです。上方向については105円手前の水準。先週も反発の動きが104円台後半で食い止められましたように、そのあたりに上値抵抗帯が位置していると考えます。もしもクリアすれば一時的に方向性は上向くことになり、ひと吹きがあるかもしれません。が、いずれにしましても、中期的な円安の流れはひとまず終わったと見てもよいのではないかと考えています。現状、特に大きな円高リスクがあるというわけではないのですが(現状計測できるのはせいぜい101円台)、現在とりあえず方向性は下向きの状態で、昨年5~6月のように時期や値幅が少し長引くシナリオも一応頭に入れておきたいところではないかと思います。(執筆者:為替王)
為替相場は年末、大幅に円安になりました。年が明けてからは一転して、円安の勢いが止まり、各通貨ともに円高への動きが見られるなど不安定な局面に突入しています。
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2014-01-20 14:00