格安航空会社(LCC)に乗ると中国人の”お金の価値観”がよくわかる

 筆者は仕事柄、日本と中国を往復する生活をしています。多い時には月に3回日本と中国を往復していますので、ちょっとした遠距離通勤感覚で飛行機を利用しています。  ANAやJAL等の日系航空会社が利用できれば、キツイ移動も少しは快適になるのかもしれませんが、財布の事情でなかなかそうはいきません。「財布に余裕があれば中国東方航空や中国南方航空をたまに利用する」というのが現実で、専ら格安航空会社(LCC)のお世話になっている現状です。  このLCCを利用すると、面白いことが見えてきます。中国人のお金の使い方、言い換えれば「経済価値観」についての、「本当のところ」が見えてくるのです。  中国人は「必要なもの」、「これは良いものだと感じたもの」、「欲しいと思ったもの」は一切の迷いもなく購入をします。  例えばiPhoneが良い例です。日本人も爆発的に買いますが、中国人の買い方は日本人の比ではありません。一瞬の迷いもなく10万円近い金額の携帯電話機を購入します。(日本人は1秒は迷うはずです)  これをLCCの例に当てはめてみます。  航空会社にもよりますが、LCCを利用した場合、少し料金を割増しすれば広い座席に座る事ができます。1500円ほどプラスをするとLCC特有の狭い窮屈な座席から脱する事ができる為、筆者は年中この割増席を利用しますが、この割増席は大抵空席か日本人が時々座っているだけ。極めて稀に中国人が座っている事がありますが、彼らの99%はギュウ詰めの一般席に座ります。  一度知り合いの中国人にこの件に関して質問をしてみた事があります。 「なぜiPhoneを迷わず買う中国人が、たかだか1500円の飛行機の快適座席を購入しないのか?」  中国人の友人はこう答えました。 「だって、せっかく格安航空に乗っているんだから、1円だって余計に払ったら意味がなくなってしまうだろう。逆にわざわざ安い航空会社を利用して追加料金を払う日本人の感覚が私は理解ができない」  たかが1500円で快適を買う日本人と、せっかく節約しているならビタ一文無駄な金は払わない中国人。今この原稿を書いている折、やはり割増席に座っている筆者なのでありました。(執筆者:高橋 亮 提供:中国ビジネスヘッドライン)
筆者は仕事柄、日本と中国を往復する生活をしています。多い時には月に3回日本と中国を往復していますので、ちょっとした遠距離通勤感覚で飛行機を利用しています。
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2014-12-22 09:15