【為替本日の注目点】円下落、年末控え121円台ではドル売り注文も
NY市場
ドル円は米GDPの大幅上方修正に反応し、ドル買い円売りが加速。ほぼ2週間ぶりとなる120円80銭まで上昇。株価の上昇もあり、原油安をきっかけに急落する前の水準をほぼ回復。ユーロドルもドル買いが優勢となり、一時1.2165と2012年8月以来となるユーロ安を記録。好調な米景気と、ギリシャ情勢がユーロ売りにつながった。
株式市場はまちまちながら、GDP確報値を受けダウは5日連騰し、節目の1万8000ドル台を維持して取り引きを終える。債券相場は反落。GDPが大幅に上方修正されたことから、利上げ観測が前倒しになるとの見方が広がる。長期金利は2.26%台まで上昇。金は続落。原油は反発し57ドル台まで上昇。
11月耐久財受注 → -0.7%
10月FHFA住宅価格指数 → +0.6%
7-9月期GDP(確報値) → +5.0%
11月新築住宅販売件数 → 43.8万件
12月リッチモンド連銀製造業指数 → 7
11月個人所得 → +0.4%
11月個人支出 → +0.6%
11月PCEコアデフレター → +1.4%
ドル/円 120.15 ~ 120.80
ユーロ/ドル 1.2165 ~ 1.2214
ユーロ/円 146.60 ~ 147.12
NYダウ +64.73 → 18,024.17ドル
GOLD -1.80 → 1,178.00ドル
WTI +1.86 → 57.12ドル
米10年国債 +0.10 → 2.260%
本日の注目イベント
米 株式、債券市場は短縮取引
米 新規失業保険申請件数
昨日の東京市場が休場の間に120円台に乗せたドル円は、米7-9月期のGDP確報値が「+5.0%」と、改定値から大幅に上方修正されたことで120円台後半まで円売りが進みました。年内は115-120円のレンジで推移すると予想していましたが、株価との相関度が強いドル円はNYダウが5日連騰し、原油安から急落する前の水準のみならず、大台の1万8000ドルまで上昇し史上最高値を更新したことで、ドル円も素直に「買い」で反応したようです。
それにしても米景気の力強さを改めて認識させられました。7-9月期の速報値は「+3.5%」でしたが、それが改定値で「+3.9%」に上方修正され、さらに今回の確報値では「+5.0%」に大幅修正でした。好調な個人消費と、設備投資が景気を牽引しており、ここはやはり原油安がじわじわ個人消費を拡大させている効果が出てきたと思われます。11月の個人消費も市場予想を上回る結果が出ています。
昨日は多くの米経済指標も発表されています。ミシガン大学消費者マインド確定値は市場予想とほぼ一致し、耐久財受注は予想を下回っていました。また、新築住宅販売件数も予想を下回ったものの、GDPの上方修正が、マイナス部分を全て吹き飛ばした格好です。市場も「好材料にはすぐに反応する」センチメントが醸成されていると見られます。
こうなってくると、年内にも今月8日に記録した121円85銭までドル円は上昇するのではないか、といった見方も出てきそうです。確かに可能性は出てきましたが、できれば来年への「お年玉」としてとっておきたいというのが正直な感想です。今のこの市場のセンチメントは、ちょうど1年前の状況に似ているように思われます。昨年は年末にかけては100円を超え、105円45銭までドル高が進み、2014年には早々に110円まで上昇する、といったあの雰囲気です。
ドル円は約1ヶ月余りで100円台後半まで落ちたことは、記憶に新しいとこころです。ギリシャの大統領選を巡る混乱もあり、原油価格もまだ57ドル台です。中国のシャドーバンキングの影響などは、話題にも出てきません。ドル高円安が継続されるとの基本的なスタンスを維持しながらも、慎重に対応していきたいと思います。
本日もNYダウの大台達成を受け、日経平均株価もかなり上昇しそうです。上げ幅が300円を超えるようだと、121円台まで円売りが加速する可能性もありますが、年末を控え、121円台ではドル売り注文も置かれているはずです。輸出企業の為替担当者も、121円台で為替を押さえ、いい正月を迎えたいと考えているに違いありません。レンジは120円~121円20銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は米GDPの大幅上方修正に反応し、ドル買い円売りが加速。ほぼ2週間ぶりとなる120円80銭まで上昇。株価の上昇もあり、原油安をきっかけに急落する前の水準をほぼ回復。ユーロドルもドル買いが優勢となり、一時1.2165と2012年8月以来となるユーロ安を記録。好調な米景気と、ギリシャ情勢がユーロ売りにつながった。
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2014-12-24 09:30