中国高速鉄道の発展は、「地方経済にチャンスもたらす」=中国メディア

中国四川省の成都市、綿陽市、楽山市などを結ぶ高速鉄道「成綿楽鉄路」がこのほど開通したことについて、中国メディアの綿陽日報は12月23日、綿陽市などの地方都市にとっては高速鉄道は経済発展につながる新しいチャンスをもたらす存在と論じた。
記事は、高速鉄道は旅行など遠出の利便性が向上するだけでなく、鉄道沿線の都市にビジネスチャンスをもたらす存在だとし、「沿線部で都市化が進むだけでなく、地域間における人、カネ、技術などの資源が合理的かつ流動的に動くことが期待できる」と論じた。
さらに、高速鉄道網が整備されることで「地域を跨いだ都市圏」が誕生するとし、地域間の移動時間が短縮され、物流面の障害も取り除かれると指摘。また、中国東部、中部、西部の結びつきも強化され、「人件費や土地価格の安価な西部地域に向け、製造業の移転が進む可能性がある」と期待を示した。
一方で記事は、「成綿楽鉄路」沿線の地域において、現段階では各都市の連携が不足しており、経済協力が難しい状況にあると指摘、人やカネの移動が容易になる分、発展の中心となる都市へ人やカネが集中してしまう「ストロー効果」が起きる可能性もあるとし、「地方の小規模、中規模の都市は人やカネといった経済的資源がほかの都市に吸収されないよう対策が必要だ」と指摘した。
続けて、「成綿楽鉄路」の開通によるストロー効果を防ぐうえで参考とすべき都市として、記事は「名古屋市」の名前を挙げ、「新幹線が1964年に開通し、名古屋と東京が短時間で結ばれると、名古屋は自動車や電子産業、紡績など東京とは異なる産業を発展させた」とし、経済的な資源が東京に一方的に吸収されることを防いだと紹介した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国四川省の成都市、綿陽市、楽山市などを結ぶ高速鉄道「成綿楽鉄路」がこのほど開通したことについて、中国メディアの綿陽日報は12月23日、綿陽市などの地方都市にとっては高速鉄道は経済発展につながる新しいチャンスをもたらす存在と論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-12-25 10:30