国内主要112行の第2四半期決算 預金・貸出金等実態調査=帝国データバンク
地銀と大手行の収益格差広がる
~地銀で利息収入の減少続く~
はじめに
東京都民銀行と八千代銀行の経営統合に伴う共同持ち株会社「東京TYフィナンシャルグループ」が10月に誕生。さらに11月には肥後銀行と鹿児島銀行、横浜銀行と東日本銀行のそれぞれの経営統合に向けた基本合意が明らかとなった。引き続き少子高齢化が進む中で、各金融機関は営業エリアにおける将来的な人口動態を考慮した収益確保への取り組みを進めることが予想され、今後も、経営統合や合併、業務連携などの動きに注目が集まる。
帝国データバンクは、国内主要112行(大手銀行7行、地方銀行64行、第二地方銀行41行)の2014年9月末時点(第2四半期決算)の預金(譲渡性預金含まず)、貸出金、預金利息(支出)、貸出金利息(収入)の推移について調査・比較した。
・大手銀行7行は、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、新生銀行、あおぞら銀行(みずほコーポレート銀行は、2013年7月1日付でみずほ銀行と合併)
・各数値は各行の決算短信(単体ベース)に記載されている数値を採用
調査結果
1.2014年9月末時点の国内主要112行の預金は631兆5055億8800万円となり、2013年9月末比で20兆4137億9900万円増加(3.3%増)。業態別にみると、大手銀行、地方銀行、第二地方銀行のすべてで増加し、増加額、増加率ともに大手銀行(13兆724億3100万円増、4.1%増)の増加が目立った
2.預金者に対して支払う預金利息は、2388億8000万円となり、2013年9月末比で10億2500万円減少。業態別にみると、大手銀行(72億100万円増)が増加した一方、地方銀行(61億1900万円減)、第二地方銀行(21億700万円減)が減少した
3.貸出金は466兆5419億3600万円となり、2013年9月末比で19兆6921億7400万円増加(4.4%増)。業態別にみると預金と同様、3業態すべてで増加し、増加額、増加率ともに大手銀行(11兆9977億7900万円増、5.2%増)がトップとなった
4.融資先から受け取る貸出金利息は3兆1859億8900万円となり、2013年9月期比で515億5200万円増加(1.6%増)。業態別にみると、大手銀行(1030億5500万円増)が増加した一方、地方銀行(379億7500万円減)、第二地方銀行(135億2800万円減)が減少した
5.地方銀行および第二地方銀行を対象とした地域別(本店所在地別)動向をみると、預金は2013年9月末比で9地域すべてが増加。貸出金は「北海道」を除く8地域が増加した(情報提供:帝国データバンク)
東京都民銀行と八千代銀行の経営統合に伴う共同持ち株会社「東京TYフィナンシャルグループ」が10月に誕生。さらに11月には肥後銀行と鹿児島銀行、横浜銀行と東日本銀行のそれぞれの経営統合に向けた基本合意が明らかとなった。引き続き少子高齢化が進む中で、各金融機関は営業エリアにおける将来的な人口動態を考慮した収益確保への取り組みを進めることが予想され、今後も、経営統合や合併、業務連携などの動きに注目が集まる。
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2014-12-25 16:30