米国の「ハイパーループ構想」は、中国高速鉄道に対する挑戦=中国メディア

 中国メディアのBWCHINESEは12月26日、自動車大国である米国で打ち出された次世代交通システム「ハイパーループ構想」について、中国高速鉄道に対する「挑戦だ」と論じる記事を掲載した。  記事は、オバマ大統領がかつて高速鉄道計画を打ち出しながらも「まもなく6年が経過するというのに計画に進展が見られない」と指摘し、米メディアが「米国の高速鉄道計画は世界のジョークになってしまった」、「進展がないのは政治的理由によるもの」と論じたことを紹介した。  続けてオバマ大統領が2009年4月に米国を横断する高速鉄道について言及し、さらに11年の一般教書演説で「高速鉄道が時速320キロメートルで米国の都市間を結ぶ」と述べたことを紹介。さらに、オバマ大統領が「今後25年以内に米国人の8割を高速鉄道の利用者とすることが目的」と語ったことを紹介した。  さらに、オバマ政権が米国全土に13本の高速鉄道路線を建設する計画だったとし、「高速鉄道の建設によって経済効果が生まれ、就業にもプラスの影響があると見込まれていた」と紹介。しかし、2011年に共和党が下院で多数を獲得して以来、民主党のオバマ政権による高速鉄道計画は予算の拠出が制限され、「政治の犠牲」になってしまったと論じた。  一方で記事は、電気自動車メーカーであるテスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOが打ち出した次世代交通システム「ハイパーループ」構想について、「自動車、船、鉄道、飛行機に次ぐ第5の主要交通手段になる可能性もある」と指摘。さらにハイパーループはチューブのような管のなかをカプセルのような乗り物を時速966キロという高速で「まるで弾丸のように」移動させるシステムとしたうえで、「実現すればロサンゼルスからサンフランシスコまで30分程度で到着できる」と紹介した。  だが、ロサンゼルスからサンフランシスコまでのハイパーループは建造コストが160億米ドル(約1兆9274億円)と見積もられていることを挙げ、「これほど巨額の資金を調達することは簡単ではない」としつつも、ハイパーループ構想を推し進めるHTT社がハイパーループの料金を20米ドル(約2400円)から30米ドル(約3600円)程度に抑えつつ、10年間で米全土にハイパーループのネットワークを構築できると考えていることを紹介。記事は「ハイパーループ構想が実現されるまでの道のりは厳しい」としながらも、「米国のハイパーループが中国高速鉄道に戦いを挑むことになる」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアのBWCHINESEは12月26日、自動車大国である米国で打ち出された次世代交通システム「ハイパーループ」構想について、中国高速鉄道に対する「挑戦だ」と論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
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2014-12-29 17:00