【為替本日の注目点】株安と原油急落でドル円も下値を探る展開
NY市場
ドル円は株価の大幅下落や、米金利の低下を背景に円買いが進み、119円37銭までドルが売られた。原油価格も一段安を記録し、リスクオフの流れが強まる。ユーロドルではECBによる大規模な緩和が近づいているとの見方が広がり、1.1893までユーロが下落。ユーロ円でも売りが優勢となり142円台半ばまでユーロ安が進む。
原油がさらに売り込まれたことで、エネルギー株の下落が全体に波及し、株価は大幅安。ダウは331ドル下落し1万7500ドル台に。株安と原油価格の下落で債券は続伸。長期金利は2.03%台まで低下し、30年債も約2年ぶりに2.62%台まで低下。金は反発。原油価格は一段と下落し、一時2009年4月以来となる50ドル台を割り込む。
ドル/円 119.37 ~ 120.17
ユーロ/ドル 1.1893 ~ 1.1950
ユーロ/円 142.59 ~ 143.01
NYダウ -331.34 → 17,501.65ドル
GOLD +17.80 → 1,204.00ドル
WTI -2.65 → 50.04ドル
米10年国債 -0.073 → 2.037%
本日の注目イベント
豪 豪11月貿易収支
日 12月マネタリーベース
英 英12月サービス業PMI
米 12月ISM非製造業景況指数
年明け最初の東京株式市場は下落で始まり、その流れが海外市場にも波及し、欧米でも株価が大幅に下落しています。特にNYダウは331ドル安と新年早々厳しい下げを見せました。リスクオフから安全資産の米国債が買われ、米長期金利も2%割れが視野に入っています。円が主要通貨に対して買われ、ドル円は119円台前半まで下落し、ユーロ円も142円台半ばまで円高が進むなど、昨年のこの時期と同じ展開になってきました。
原油価格が再び下落基調を強め、昨日のWTI先物市場では2009年4月以来となる50ドル割れまで売られる場面がありました。世界的な需要不足の中、OPECが減産には合意できなかったことから、供給過剰との見方もあり40ドルまで下落するという専門家もいるようです。原油価格の急落で米株式市場が大幅に下げ、長期金利も2%割れもあり得る状況になってきました。典型的なリスクオフの流れで、ドル円も下値を探る展開になりそうです。
今日は日経平均株価も下値を探る展開が予想され、それに伴ってドル円も119円割れを試すことになるかもしれません。「4時間足」の「200日線」がある、119円12銭前後が最初のメドになりそうですが、119円が維持できるかどうかが注目されます。そして、119円を割り込んだら、12月30日に下げ止まった118円85銭辺りが次のサポートのメドになります。この水準はやはり「200日線」でサポートされた水準です。
昨年の今頃は年明けに105円45銭を記録し、多くの市場参加者がドルに対して楽観的となり、「110円も時間の問題」といった雰囲気でした。そこからわずか1ヶ月で100円75銭まで円高が進んだことは、まだ記憶に新しいところです。今回も同じ展開になるかどうかは分かりませんが、状況は昨年とは異なるだけに、この水準から5円も下落する可能性は低いと思われます。
FRBは今年の中頃には利上げに踏み切ると予想されており、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、その利上げ幅が想定よりも大きくなる可能性があるとの記事を掲載しています。一方日銀は、今年中に少なくとも1回は追加緩和を実施するとの見方も根強く残っており、この金融政策の方向性の違いを基本とするならば、やはりドルが下落した際には拾っておくスタンスが有効だと考えます。もっとも、どこまで下落するのかは原油価格次第という状況のため、安易にドルを拾えばいいというものではありません。そこには慎重さも求められます。
今日も株価の行方がドル円にも大きく影響してきそうです。日経平均は300円前後の下げが見込まれますが、1万7000円の大台を割り込むようだと118円台もないとはいえません。予想レンジは118円70銭~119円80銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は株価の大幅下落や、米金利の低下を背景に円買いが進み、119円37銭までドルが売られた。原油価格も一段安を記録し、リスクオフの流れが強まる。ユーロドルではECBによる大規模な緩和が近づいているとの見方が広がり、1.1893までユーロが下落。ユーロ円でも売りが優勢となり142円台半ばまでユーロ安が進む。
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2015-01-06 09:45