FX発注上限、セントラル短資FXが全26通貨ペアで500万通貨に引上げ
ドル/円が一時1ドル=120円台に進むなど、外国為替の動きが大きく変動するようになって、FX(外国為替証拠金取引)の売買が活発になっている。FX業界では取引の手数料に相当するスプレッド(売値と買値の価格差)の引き下げ競争が激烈に進み、現在、ドル/円の基準スプレッドは1銭以下、業界最低では0.3銭にまで下がっている。このような中で、業界大手の一角であるセントラル短資FXが、主力の取引プラットフォーム「FXダイレクトプラス」の1回あたり最大注文可能数量を、2014年12月15日から全26通貨ペアにおいて500万通貨に引き上げた(従来の上限は300万通貨)。主要各社の最大注文可能数量とスプレッドの関係を調べた。
最大注文可能数量は、1回あたりの注文可能な数量の上限のこと(1日当たりの発注上限は、ほとんどのFX会社で規定していない)。たとえば、1ドル=120円で500万通貨を発注すると、6億円の注文を出すことになる。レバレッジ20倍で取引する場合は、3,000万円の証拠金が必要な計算だ。この場合、価格が10銭動くと50万円分の変動になる。
昨今の外為市場では、1日あたりドル/円が1円ほどの値動きをすることも珍しくないので、その間に瞬時に数十万円の収益を生み出すことも可能になる(半面、瞬時に数十万円の損失を被るリスクもある)。FX取引に関する関心が高まるとともに、そのような大口の資金で取引したいという投資家が増えてきているようだ。
取引数量が大きくなればなるほど、その取引で生じるリスクの度合いは高まる。実際に、FX取引で「売値」や「買値」の元になっている銀行間の外為取引市場(インターバンク市場)では、取引のスプレッドの決め方は「ラダー」方式といわれ、階段状に1回あたりの取引数量が大きくなるほどに、スプレッドが拡大する仕組みになっている。
現在、ほとんどのFX会社が、取引数量に関わらず、一定のスプレッドを設定している。SBI FXトレードのみが、ドル/円取引で1万通貨まで0.27銭、1万から50万まで0.39銭、100万まで0.58銭、300万通貨まで0.58~1.61銭、500万までは0.78~1.81銭、999万通貨まで1.26~2.29銭、1,000万通貨は1.38~2.41銭などと取引数量に応じたスプレッドの体系を導入している。
他の主要FX会社の取引数量とスプレッドの関係を調べると、ドル/円のスプレッドで業界最低水準である0.3銭の会社では、GMOクリック証券とDMM.com証券の上限は100万通貨。楽天証券は200万通貨。YJFX、外為どっとコム、JFX、ヒロセ通商が300万通貨。そして、FXブロードネットは500万通貨を上限に設定している。また、基準スプレッドが0.4銭のトレイダーズは300万通貨まで、基準スプレッド0.5銭のマネーパートナーズは上限200万通貨まで引き受けている。
一方、発注上限で1,000万通貨まで引き受けているSBI証券は、スプレッドは0.8銭~1.2銭。500万通貨までが、外為オンラインとセントラル短資FXで、それぞれ基準スプレッドは1.0銭。そして、先ほどのFXブロードネットも500万通貨までスプレッド0.3銭となっている。
FX各社で、その発注上限やスプレッドに関する対応は異なるが、そこにはサービス提供に関する各社の考え方も表れているようだ。(編集担当:徳永浩)
業界大手の一角であるセントラル短資FXが、主力の取引プラットフォーム「FXダイレクトプラス」の1回あたり最大注文可能数量を、2014年12月15日から全26通貨ペアにおいて500万通貨に引き上げた(従来の上限は300万通貨)。主要各社の最大注文可能数量とスプレッドの関係を調べた。
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2015-01-06 13:30