ベトナム厳戒「邪悪な石油プラットフォーム」・・・反中デモきっかけの「海洋石油981」、中国が南に曳航

 中国メディアの環球網などによると、中国が石油プラットフォーム「海洋石油981」の三亜港からシンガポールに向けての曳航(えいこう)を始めた。自国沖を通過するとして、ベトナムは厳戒態勢だ。「海洋石油981」は2014年の反中デモと暴動のきっかけになった存在で、ベトナムの一部メディアは「邪悪な石油プラットフォーム」と表現した。  中国海洋石油総公司が保有する石油プラットフォーム「海洋石油981」の三亜港からシンガポールに向けての曳航が、1日に始まった。インド洋まで行き、ミャンマー沖での資源探査を行うとみられている。ベトナムは「海洋石油981」の自国沖通過を警戒し、関係者は「必要な場合には行動をとる」などと話した。  「海洋石油981」は中国海洋石油総公司が保有している。使用開始は2012年5月。中国にとっては海洋資源開発の能力を飛躍的に向上させた「誇り」だが、ベトナムにとっては、自国の経済権益を“侵略”する憎しみの対象だ。2014年には、中国側が、ベトナムが自国の排他的経済水域と主張する海域に「海洋石油981」を派遣して資源探査を行ったことで、双方の船舶が海上で対峙・衝突。  ベトナム国内で繰り返された反中抗議デモは5月13日、暴徒化した群衆が中国系企業や中国人を襲撃し、死者まで出す事態となった。中国企業と誤認され、シンガポールや韓国系企業も襲撃された。環球網によると、「中国の邪悪な石油プラットフォームがインド洋に行く」と評点したベトナムのメディアもあったという。  また、ベトナム海上警察も「中国の(石油)プラットフォームから一瞬たりとも目を離さない。発生する可能性のある悪辣な行為を防止するためだ」と述べたという。ベトナムの漁業監視船も監視を続けており、「必要な場合には応急行動をとる」との考えという。  「海洋石油981」は1月中旬にはシンガポールに到着するとみられている。その後はインド洋に向かうとされるが、「ミャンマーと、同国沖での資源探査を実施する合意ができている」との見方がある。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国が石油プラットフォーム「海洋石油981」のシンガポールに向けての曳航(えいこう)を始めた。自国沖を通過するとして、ベトナムは厳戒態勢だ。ベトナムの一部メディアは「邪悪な石油プラットフォーム」と表現した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-01-07 10:00