【為替本日の注目点】雇用統計に期待高まりドル円反発、ユーロ続落

 NY市場  ドル円は反発。ADP雇用者数が24.1万人と、市場予想を上回ったことを好感し、119円65銭までドル高が進む。株価が大幅に反発したこともドル買い材料となったものの、長期金利が依然として2%を割り込んでいることでドルの上値も限られた。ユーロ圏のCPIが「-0.2%」と発表されたことでユーロドルは1.18近辺まで続落。22日の理事会でECBが量的緩和に踏み切るとの観測がさらに強まった。   株式市場は大幅に反発。民間雇用統計が予想を上回ったことで、明日の雇用統計にも期待が高まり、ダウは212ドル高。その他主要株価指数も大きく上昇。株高から債券相場は反落したものの、FOMC議事録では早期の利上げはないとの印象から下落幅は限定的。長期金利は1.96%台までやや上昇。ドル高から金は反落。原油価格も5日ぶりに小幅に反発。   12月ADP雇用者数 → 24.1万人  12月貿易収支    → 390億ドルの赤字  ドル/円 118.85 ~ 119.65  ユーロ/ドル 1.1802 ~ 1.1858  ユーロ/円 140.91 ~ 141.43  NYダウ +212.88 → 17,584.52ドル  GOLD -8.70 → 1,210.70ドル  WTI +0.72 → 48.65ドル  米10年国債 +0.013 → 1.960%  本日の注目イベント  欧   ユーロ圏11月小売売上高   欧   ユーロ圏11月生産者物価指数   英   BOE金融政策発表   米   新規失業保険申請件数   ドル円がようやく下げ止まりを見せました。もっとも、ドル円が下げ止まったというよりも、原油安が止まった結果、NY株式市場が大幅な反発を見せたことで、「リスクオフ」の流れにややブレーキがかかったということのようです。それでも原油価格の反発力は弱く、頼みの米長期金利の上昇も僅かです。ドル円が119円65銭をつけた後に、再び118円台後半まで値を下げたのも、そのあたりの反発力が弱かったからと考えられます。  注目のユーロ圏CPIは市場予想の「-0.1%」から、さらに低下して「-0.2%」でした。原油価格の大幅下落で早ければ今回の数値で「マイナス」に陥るのではないかと見られていましたが、予想を超える物価の下落でした。さらに失業率は11.5%と、依然として高止まりしています。   市場は、この発表を受けてECBによる量的緩和実施の可能性がさらに高まったとしてユーロ売りを進め、一時は1.18近辺までユーロ安が進行しました。ECBに残された時間はありません。このままでは景気はさらに悪化し、日本が脱却に苦心している「デフレ」に陥る可能性が高い状況です。加えてギリシャの政局不安が拡大しており、ユーロ売りに拍車を掛けている状況です。   ECBは22日の理事会で、かなりの確率で量的緩和に踏み切ると予想しています。国債購入を1兆ユーロほど買い入れる案が有力視されていますが、どこの国の国債をどれだけ買うのか詳細を巡って意見が分けれることも想定されます。そのため今回の理事会では結論がでず、次回に持ち越されるのではとの見方もあるようです。   ドル円は119円65銭まで反発しましたが、ここは丁度「1時間足」の「雲の上限」であり、見事に上昇を止められているのが見て取れます。もっとも、その後118円85銭近辺まで反落した際にも、今度は「雲の下限」で下落を止められており、テクニカルに沿った動きを見せたといえます。従って、現在は「雲の中」で推移していますが、119円35銭を明確に上抜け出来ればもう一段のドル高も見込めそうです。  また、下値は118円60銭を割り込むと下落トレンド入りする可能性があります。ただ、既に「先行スパン1」と「先行スパン2」が「ねじれ」を完成させている点には注意が必要です。  昨年12月のFOMC議事録が公表されましたが、議事録では大部分の参加者は「辛抱強さへの言及について、委員会が正常化プロセスを少なくとも向こう2会合で開催する可能性は低いことを意味しているとの認識を示した」とあり、12月のイエレン議長の記者会見での発言と整合しています。  ただ、インフレ率については「コアインフレが現在の水準付近で推移している状況で正常化を開始する可能性があると指摘。ただその場合、参加者はインフレ率が時とともに2%台へと戻っていくことにある程度の自信を持ちたいとの認識を示した」とあります。インフレ率のメドであるコアインフレ率が2%に達しなくても、利上げの可能性があるということのようです。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は反発。ADP雇用者数が24.1万人と、市場予想を上回ったことを好感し、119円65銭までドル高が進む。株価が大幅に反発したこともドル買い材料となったものの、長期金利が依然として2%を割り込んでいることでドルの上値も限られた。ユーロ圏のCPIが「-0.2%」と発表されたことでユーロドルは1.18近辺まで続落。22日の理事会でECBが量的緩和に踏み切るとの観測がさらに強まった。 
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2015-01-08 09:45