「ヨコシマな動機」の疑いも!? 中国で「論文数・特許取得件数」が増加している理由とは=中国メディア

 中国メディアの新華社は6日、英メディアのフィナンシャル・タイムズがこのほど中国の蘇州大学創新創業研究センターの董潔林氏による文章を掲載し、董潔林氏が「中国の産業にはイノベーションが不足している」との指摘はもはや共通認識だと指摘したことを紹介した。  記事は、中国で近年発表される論文数や中国が取得した特許権数が大きく伸びていることを指摘し、中国の学者である朱天氏が中国のイノベーション能力は開発途上国はおろか多くの先進国すら超えたと主張していることに対して、「果たして本当に中国経済はイノベーション型に転換したと言えるのだろうか」と疑問を呈した。  続けて、論文数や特許権数の伸びを「イノベーション能力の向上」の根拠とすることはできないとし、論文や特許は「質」がまちまちであり、人類そのものに利益となる可能性を持つものはごく少数にとどまるはずと指摘。  さらに、中国の各大学や研究機関では論文の発表数が給与や昇進に影響を及ぼす実態があることを指摘し、米サイエンス誌の編集長が「中国人による論文の一部は科学の真理探求ではない、ほかの動機によるものと見受けられる」と苦言を呈していることを紹介した。  また記事は、中国で取得される特許についても、国際特許訴訟について豊富な経験を持つ弁護士の話しとして「中国の特許取得件数は増加しているが、質は極めて悪い」と指摘。さらに、特許をめぐる国際訴訟においても中国側が原告になるケースは少なく、被告になるケースが多いと指摘した。  続けて、中国の特許権数が急増するなか、質が劣っている背景には、中国政府による奨励があるとし、「中国政府は特許申請件数に基づいて税制を優遇する措置を導入しており、中国企業は優遇税制を得るために特許を数多く申請している」と指摘。さらに「中国で発表される論文や特許が急増している背景には、中央政府や地方政府によるインセンティブが最大の動機だ」と論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの新華社は6日、英メディアのフィナンシャル・タイムズがこのほど中国の蘇州大学創新創業研究センターの董潔林氏による文章を掲載し、董潔林氏が「中国の産業にはイノベーションが不足している」との指摘はもはや共通認識だと指摘したことを紹介した。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-01-08 18:30