「レアアース戦争は休戦に」と独メディア・・・「中国政府は西側に跪いた」などネット上に不満の声=中国メディア

 中国政府・商務部がこのほどレアアースの輸出割当制度を撤廃すると発表したことについて、中国メディアの中国青年報は8日、中国ネット上では政府の対応に不満の声があがっていると伝え、割当制度の撤廃は諸外国の圧力に負けた「辱め」を意味することなのだろうかと論じた。  記事は、輸出割当制度の撤廃は世界の大手メディアも大きく取り上げたと伝え、ドイツメディアが「中国が西側諸国に歩み寄りを見せた」、「レアアース戦争は休戦に、中国が譲歩か」などと伝えたことを紹介した。  一方で、中国国内ではネット上を中心に「不満の声があがった」とし、「中国政府は西側に跪いた」、「レアアースの販売は売国と同じだ」、「権利の喪失であり、国の辱めだ」など激しい反発の声があがったと伝えた。  続けて、世界のレアアース供給量のうち90%以上が中国産であるとし、米国など豊富なレアアース資源を有するはずの国は自ら開発せず、中国からレアアースを調達していると主張。米メディアがかつて「中国がレアアース市場を牛耳ることは、米国に手錠をかけるのと同様」と報じていたことを紹介する一方で、中国は今や自ら西側諸国にかけていた手錠を解いたと伝えた。  また記事は、世界貿易機関(WTO)が2014年3月、中国のレアアース輸出枠制度は貿易協定違反だと認定していたことを指摘し、「中国はWTO加盟国として協定を遵守する必要がある」と主張。さらに、中国側の歩み寄りによって欧米諸国は安心しているに違いないとし、「中国側の姿勢を経済協力の強化に向けたシグナル」と捉えているメディアもあると紹介した。  さらに中国で15年1月1日から「環境保護法」が施行されたことを指摘し、「これまででもっとも厳格な環境保護法の施行を契機に、中国はレアアースの盗掘を防ぎ、割当制度の撤廃の代わりに資源税を引き上げ、レアアースの価格決定権および発言権を強化しなければならない」と主張した。  中国青年報の主張とは裏腹に、レアアースの輸出割当制度の撤廃については今なおネット上での反発は大きい。中国の簡易投稿サイト・微博(ウェイボー)を覗いてみると、「レアアースは輸出禁止にしろ」、「中国政府には長期的視野を持った人間はいないのか」など不満の声が多く寄せられている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国商務部がこのほどレアアースの輸出割当制度を撤廃すると発表したことについて、中国メディアの中国青年報は8日、中国ネット上では政府の対応に不満の声があがっていると伝え、割当制度の撤廃は諸外国の圧力に負けた「辱め」を意味することなのだろうかと論じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-01-09 15:15