【為替本日の注目点】株安から円買い圧力、118円台維持できるか
NY市場
東京市場が休場の昨日、ドル円は119円台を回復し、底堅い動きを見せたものの、NYでは原油価格の下げが、株安、債券高につながり円を買う動きが強まった。ドル円は118円13銭前後まで下落。ユーロドルもドル高の流れから、1.17台後半まで下げたが、NYではユーロ買い戻しが勝り、1.18台半ばまで上昇。
株式市場は原油安と、企業の決算発表が冴えなかったことを材料に続落。ダウは96ドル下げ、1万7640ドル台に。債券相場は原油安懸念が再燃し、買い物を集める。10年債利回りは約3ヶ月ぶりに1.91%台まで低下。金は続伸。原油価格は一時46ドル台を割り込むが、引けでは46台をを維持し取り引きを終える。
12月労働市場情勢指数(LMCI) → 6.1
ドル/円 118.13 ~ 119.21
ユーロ/ドル 1.1789 ~ 1.1845
ユーロ/円 139.77 ~ 140.61
NYダウ -96.53 → 17,640.84ドル
GOLD +16.70 → 1,232.80ドル
WTI -2.29 → 46.07ドル
米10年国債 -0.028 → 1.912%
本日の注目イベント
日 11月国際収支
日 12月景気ウォッチャー調査
中 中国 12月貿易収支
米 12月財政収支
米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
先週末に発表された12月の雇用統計では雇用者数が25.2万人と、市場予想を超え、さらに11月分は35.3万人、10月分も同じく26.1万人に上方修正されたにも関わらず、株価が大幅安となり債券相場も上昇し金利が低下したことで、ドル円は118円台前半までドル安が進みました。
雇用者数がFRBのメドとしている20万人を既に大きく上回っている状況が続き、労働市場に死角はないとの見方が広がっています。そのため、市場は雇用の質を重視しており、今回は賃金の伸び悩みに反応したことで、株安・債券高・ドル安につながったものと思います。12月の全労働者の平均時給は24.57ドルで、前月から0.2%減少していました。仕事に対する需要は増え、比較的職に就きやすいものの、それがそのまま賃金の上昇につながらない状況が続いているようです。
ドル円は先週金曜日に118円台半ばを記録し、昨日のアジア時間にも118円11銭を付け、上値の重い展開が続いています。昨日の午後からは一旦119円台に戻す動きも見られましたが、119円台を維持できず、「リスクオフ」の流れに、再び118円台前半を試す展開です。ここ2日間では118円10銭近辺がサポートになっているようですが、1月7日に記録した118円05銭を考慮すると、118円が維持できるかどうかが重要かと思われます。
今日もNY株式市場の下落を受けて、日本株も安く始まりそうです。ここで118円台が維持できるかどうかに注目しますが、一旦はこのレベルの底堅さを見極めに行く動きがあるように思います。今年も既に3週目に入りました。どうも、昨年の動きを連想してしまいがちですが、昨年は4週目に入った辺りから、下値を切り下げて来ました。その意味では、今週末まで118円台を維持しきれば、昨年とは異なる動きと見ることもできそうです。
ただ、その後は22日にはECBの理事会があり、25日にはギリシャの総選挙が控えています。このところのユーロ安ドル高の動きは、ドル円の円安方向へとはつながらず、むしろユーロ円の下落から、ドル安円高に振れる傾向があります。引き続きユーロ圏の動きには注意が必要です。
また米長期金利が2%割れで定着しそうな気配を見せて来ました。こちらも金利低下が円高につながるリスクもあり、今年中ごろには利上げに踏み切ると見られている米利上げ観測に影響を与える可能性もでてくるかもしれません。株価の動向に注意しながら117円80銭~119円程度を予想レンジにしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
東京市場が休場の昨日、ドル円は119円台を回復し、底堅い動きを見せたものの、NYでは原油価格の下げが、株安、債券高につながり円を買う動きが強まった。ドル円は118円13銭前後まで下落。ユーロドルもドル高の流れから、1.17台後半まで下げたが、NYではユーロ買い戻しが勝り、1.18台半ばまで上昇。
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2015-01-13 09:45