医療機関・老人福祉事業者の倒産動向調査=帝国データバンク

 老人福祉事業者の倒産、2年連続で過去最悪の水準  ~病院、診療所は減少基調で推移~  はじめに  高齢化社会が進むなか、市場拡大が期待されてきた医療・介護関連業界だが、近時は少子化や労働条件等の問題から深刻な人手不足に陥る事業者が相次ぎ、将来的な需給バランスが危ぶまれるなど課題は尽きない。利用者そして現場で働く人の両面の立場に立った政策が求められるなか、医療機関、老人福祉事業者の倒産動向はどう推移しているのか。帝国データバンクは、2000年~2014年(15年間)における「医療機関※1」「老人福祉事業者※2」の倒産動向(法的整理を対象)について分析した。  ・※1 病院、診療所、歯科医院が対象。「病院」=病床数20以上、「診療所」=病床数20未満で区別  ・※2 在宅介護サービス、移動入浴サービス、デイサービスセンター、各種老人ホーム等の運営を行っている事業者  調査結果  1.2014年の医療機関の倒産は29件(内訳:病院5件、診療所9件、歯科医院15件)となり、診療所は14年ぶりの10件割れ、歯科医院は2000年以降、2009年、2012年と並び最多となった。また、老人福祉事業者の倒産は45件となり、2000年以降最悪だった2013年(46件)と同水準で推移した  2.2000年~2014年の動向では、累計倒産件数は、病院が113件、診療所が226件、歯科医院が163件、老人福祉事業者が255件となり、年別で件数が最も多かったのは、病院が2007年(18件)、診療所が2009年(27件)、歯科医院が2009年、2012年、2014年(各15件)、老人福祉事業者が2013年(45件)となった。また、態様別では老人福祉事業者、歯科医院、診療所の8割超が「破産」となっているほか、業歴別では老人福祉事業者の72.2%が「設立10年未満」となった(情報提供:帝国データバンク)
高齢化社会が進むなか、市場拡大が期待されてきた医療・介護関連業界だが、近時は少子化や労働条件等の問題から深刻な人手不足に陥る事業者が相次ぎ、将来的な需給バランスが危ぶまれるなど課題は尽きない。利用者そして現場で働く人の両面の立場に立った政策が求められるなか、医療機関、老人福祉事業者の倒産動向はどう推移しているのか。
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2015-01-13 16:15