ジャパンフーズが出直る、大手飲料5社で受託の8割占め業績安定、水宅配にも進出
飲料受託生産大手のジャパンフーズ <2599> に注目したい。株価は下値固めが完了して出直りの動きを強めている。好業績や指標面の割安感に見直し余地が大きく出遅れ感も強い。昨年7月高値を目指す動きが本格化しそうだ。
伊藤忠商事 <8001> 系で飲料受託生産の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、およびファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。得意先別にはアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園 <2593> など大手飲料メーカー5社で受託製造の約8割を占め、容器別ではペットボトルが主力だ。
4カ年(12年度~15年度)中期経営計画「JUMP2015」では、成長戦略としてコアビジネス(飲料受託製造事業)の一段の収益拡大と、新規ビジネス事業(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品)の着実な推進を掲げている。目標数値としては15年度にコア事業の経常利益21億円、新規事業の経常利益4億円に拡大するイメージだ。
コアビジネスの飲料受託製造事業では、飲料メーカーとの関係強化や魅力ある製品の開発・提案による受託製造数量の増加、市場変化・顧客ニーズへの的確な対応、生産効率の向上とコスト競争力の強化、季節変動への対応と閑散期である冬場の製造体制見直しやコスト削減などを進めている。12年7月には本社工場で世界最新鋭の無菌充填ライン(炭酸・非炭酸兼用)が稼動した。さらに14年3月には既存大型ペットボトルラインも設備更新で無菌充填ライン(炭酸・非炭酸兼用)化する。
新規ビジネス関連では、国内で水宅配事業を展開するウォーターネットへの出資比率を10年7月に10%から34%に引き上げ、中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司への出資比率も12年12月に10%から24.9%に引き上げた。自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品の開発に取り組み、千葉県を中心に販売している。
なお13年12月に、本社工場が国際的な食品安全マネジメント規格である「FSSC22000」の認証を取得し、中国・東洋飲料(常熱)有限公司も「FSSC22000」の認証を取得している。また13年12月に、本社工場で液化天然ガス(LNG)を原料とするコ・ジェネレーションシステムが竣工した。工場全体の省エネおよびCO2削減に貢献するとしている。
今期(14年3月期)業績(非連結)見通し(10月23日に減額)は売上高が前期比5.4%増の350億円、営業利益が同62.4%増の12億10百万円、経常利益が同52.6%増の12億20百万円、純利益が同43.1%増の7億10百万円としている。飲料メーカーの在庫調整の影響を受けて期初計画を下回るが、12年7月に稼動した新無菌充填ラインによる増産効果などで大幅増益の見込みだ。
第2四半期累計(4月~9月)は炭酸飲料や茶系飲料が好調に推移して、受託製造数量が容量で前年同期比6.3%増、ケース数で同4.9%増、そして売上高が同0.7%増、営業利益が同38.3%増、経常利益が同33.9%増、純利益が同31.6%増となり、いずれも第2四半期累計として過去最高を更新している。炭酸飲料や茶系飲料の比率が高いため上半期偏重の収益構造で下期は赤字となるが、通期ベースでは好業績が期待される。なお1月29日に第3四半期累計(4月~12月)の業績発表を予定している。
来期(15年3月期)についても、受託製造数量の増加に加えて、12年7月に稼動した新無菌充填ラインでの習熟度向上による生産効率上昇効果、14年3月に完了予定の既存大型ペットボトルラインの設備更新効果などが寄与して好業績が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、昨年10月の戻り高値1375円から反落し、11月以降は概ね1200円台前半でモミ合う展開だった。しかし12月中~下旬の1200円近辺で下値固めが完了し、足元では出直りの動きを強めている。1月20日には1296円、1月21日には1295円まで上伸してモミ合いから上放れる形だ。証券優遇税制廃止に伴う需給不安が後退して好業績を見直す動きだろう。
1月21日の終値1291円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS147円21銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.1%近辺、そして実績PBR(前期実績のBPS1409円99銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から反発し、戻りを押さえていた13週移動平均線に続いて26週移動平均線も突破した。サポートラインを確認して強基調に転換した形だ。低PERや低PBRなど指標面の割安感に見直し余地があり出遅れ感も強い。出直りの動きが本格化して昨年7月高値1600円を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲料受託生産大手のジャパンフーズ<2599>(東1)に注目したい。株価は下値固めが完了して出直りの動きを強めている。
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2014-01-22 09:15