【為替本日の注目点】ドル再び下落、株安・金利低下で円買い地合い
NY市場
昨日の東京時間に117円74銭までドル安が進んだが、その後株価が下げ幅を縮小したことから、118円85銭近辺まで値を戻したがNYで再びドルが下落。長期金利の低下と株安を背景に117円53銭まで円が買われる。ユーロドルは次回の理事会でECBが量的緩和を行うとの発言で、約9年ぶりとなる1.1753までユーロ安が進む。
株式市場は反発して始まったが、結局、原油安や商品相場の下落を受け3日続落。ダウは282ドル上昇した後、143ドル安まで下落し、27ドル安まで戻して引ける。債券相場は株価が最後はマイナスで引けたことや、商品相場の下落を背景に続伸。10年債利回りは一時1.9%台を割り込む場面も。金は続伸。原油は一時45ドル台を割り込んだが、引けでは前日比小幅安の45ドル89セントで取引を終える。
12月財政収支 → 190億ドル
ドル/円 117.53 ~ 118.77
ユーロ/ドル 1.1753 ~ 1.1800
ユーロ/円 138.34 ~ 139.80
NYダウ -27.16 → 17,613.68ドル
GOLD +1.60 → 1,234.40ドル
WTI -0.18 → 45.89ドル
米10年国債 -0.007 → 1.905%
本日の注目イベント
日 12月マネーストック
欧 ユーロ圏11月鉱工業生産
欧 ドラギECB総裁とメルケル首相、ショイブレ財務相非公式経済会議に出席 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
米 12月小売売上高
米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
米 企業決算 → JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ
ドル円は上値の重い展開が続いています。昨日の東京時間でも、日経平均株価が一時350円を超すマイナスになったことで、117円74銭までドル安が進んだが、その後は急速にドルが買い戻され、約1円もドル高となり118円85銭近辺まで値を戻す場面もありました。欧州からNYの朝方に掛けては118円台半ばで推移していましたが、NYダウが急速に値を下げたことに伴い、ドルは再び下落しています。
NYダウが前日比280ドルを超える上昇から、一転してマイナスに転じると、ドル円も117円台半ばまで下落し、株安、金利低下などから円が買われ易い地合いになっています。NYダウは420ドルを超える値幅を見せ、原油価格が一時44ドル台前半まで下げるなど、金融、商品市場は非常に荒っぽい動きをしています。
世界的な緩和状態を背景に、大量のマネーが少しでも有利な運用先をもとめて右往左往している状況が続いています。まだ2015年が始まったばかりですが、今年1年の市場の先行きを暗示しているような動きと言えなくもありません。
昨日はWTI原油価格も在庫増加観測を背景に一時は、44ドル20セントまで下落する場面がありました。供給が需要を上回っている状況の中、OPECが減産する姿勢を見せず、近いうちに40ドルを割り込むといった見方もあります。原油価格の大幅下落が、物価下落圧力となり、先進諸国はデフレとの戦いを余儀なくされている状況です。
そんな中、日銀は20、21日に金融政策決定会合を開き、物価情勢の展望の中間評価を行います。ブルームバーグが伝える所によると日銀は、原油価格が昨年10月以降も下落を続けていることから、15年度の生鮮食料品を除いた消費者物価指数(コアCPI)前年比上昇率の見通しを、前年度比1.7%上昇から下方修正するようです。
黒田日銀総裁は昨年12月の会見で、「2015年度を中心とする期間に2%程度に達する可能性が高い」と述べ、依然として2%物価目標の旗を下ろしてはいないことから、今年のどこかのタイミングで再び「追加緩和」を行うのではないかとの見方も広がっています。原油価格は特に10月末から下げ足を速めており、昨日の44ドル台を基準にすると、下落率は45%と、約半値になったことを考えれば、「再追加緩和」も決してないとは言い切れません。
上述のように、ドル円は118円台後半まで反発しましたが「1時間足」の雲の下限で上昇を止められた形になっています。また「日足」では、かなり厚い雲が下方にあり、現在この雲に入ってきたところです。この雲を下抜けするには113円程度まで下落する必要があり、今のところ現実的ではありませんが、一方で「日足」でも「遅行スパン」がローソク足を下抜けしてきたため、ドルの下落圧力は高まっていると見ることができます。
今日も株価とのにらみ合いになりますが、昨日のNYの下値である117円台半ばが抜けるかどうかがポイントになりそうです。予想レンジは117円20銭~118円50銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
昨日の東京時間に117円74銭までドル安が進んだが、その後株価が下げ幅を縮小したことから、118円85銭近辺まで値を戻したがNYで再びドルが下落。長期金利の低下と株安を背景に117円53銭まで円が買われる。ユーロドルは次回の理事会でECBが量的緩和を行うとの発言で、約9年ぶりとなる1.1753までユーロ安が進む。
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2015-01-14 09:45