上海外灘事故ほか痛ましい事故の数々・・・如何にして事故を未然に防ぐか

日本経営管理教育協会が見る中国 第340回--坂本晃(日本経営管理教育協会特別顧問) ● 2015年へカウントダウン時の事故   上海の中心部を流れる黄浦江の西岸に並ぶ20世紀初頭から建設された金融関係のビル郡と、1992年から農地だった浦東地区を開発された上海テレビ搭を始め、近代高層建築群を対岸に見渡せる公園は、多くの内外からの観光客でいつも賑わっている絶好の行楽地で、上海観光名所のひとつである。そこで、36人が死亡、47名が負傷するという大事故が起きた。   ここで年越しをしたい人たちが多く集まり、不幸な事故が起こってしまった。地震で建築物が壊れて下敷きになったわけではない。雑踏したあまり、倒れた人たちが次から次へ折り重なったのであろう。 ● 日本の1950年代お正月事故2例   1954年1月2日、東京の皇居二重橋の上で一般正月参賀に集まった38万人あまりの群衆が倒れて16人死亡、65人のけが人を出した。警視庁と皇宮警察の境界線上で起きた事故として警備の誘導に問題があったとされ、その後の雑踏警備は改善され始めた。   2年後の1956年1月1日、新潟県の弥彦神社で124人死亡、77人負傷という日本では最大の雑踏事故が起こった。新年の餅薪きに群衆が殺到、石段を上がる者と降りる者が殺到し、玉垣が崩れて将棋倒しになった。   現場が暗かったこと、警備が駐車整理中心で、現場には警備体制がなかったことが事故を大きくした言われている。 ● 2001年花火大会関連事故   2001年7月21日、兵庫県明石市で行われた花火大会の会場へ通じる歩道橋の上で起こった事故で、死者11名だが負傷者は247名と大勢の方が事故に巻き込まれた。これも行く人と帰る人が正面からぶつかり合い起こった事故である。   警備は警察と主催者が準備した警備要員で行っていたが、歩道橋近辺は手薄だったとされる。裁判では民事は賠償の判決で終わり、刑事については警察1名、警備会社1名は実刑になったが、警察署長などは、最終的に時効成立で終わった。   この事故以降、日本全国で開催される花火大会の雑踏整理は順調といえよう。 ● 2014年中国人搭乗航空機事故   2014年3月8日、マレーシア航空370便がマレーシア・クアランプールから北京へ向かっていたが、タイランド湾上空で行方不明になり、現在でも行方不明は継続している。進路を途中から大きく変え、インド洋方向に向かい、そのまま消息を絶っている。乗客227名中、中国人が152名と約3分の2を占めていた。 ● どこまで人命を尊重し安全を確保できるかが人類の課題   後から見れば警備上などの不手際だったといいうことが多々あるが、事故の積み重ねから改善を行っていくしか方法はないものだろうか。   一方、国と国との戦争、民族同士の対決、、オウム真理教や9.11の同時多発テロなど、経済問題なども複雑に絡み合い、「人命尊重・安全確保」とはいかに難しいものかと新年早々感じ入った次第である。   写真は上海外灘の賑わい。(執筆者:坂本晃・日本経営管理教育協会特別顧問 編集担当:水野陽子)                     
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2015-01-14 10:30