燃料電池車の普及には「大きな困難」も=中国メディア

中国メディアの電動車時代網は12日、トヨタ自動車が水素を燃料とする燃料電池車「ミライ」を2015年上半期に発売すると伝え、燃料電池車(FCV)は人類の生活を変化させるとする一方、普及には「大きな困難が伴うはずだ」と主張する記事を掲載した。
記事は、「燃料電池自体は真新しい技術ではない」とし、1960年代にはすでに開発されていた技術であり、宇宙分野ではすでに用いられていたと紹介し、米国航空宇宙局(NASA)の行った「アポロ計画」でも燃料電池が使われたと紹介した。
さらに、1970年代以降、水素という元素を制御するための技術が次々に開発されると水素を燃料とする電池の応用範囲も広がったと紹介し、2008年には米国の航空機メーカーであるボーイング社が水素による燃料電池を動力源とする小型飛行機のテストフライトに成功したと紹介した。
また、水素の燃料電池は自動車を「究極のエコカー」とするうえ、燃料充填の時間もガソリン車に比べて極めて短時間で済むとする一方、水素による燃料電池車は普及には大きな困難が伴うはずだと主張し、その理由を複数挙げた。
まず記事が挙げた理由は「水素の生産が非経済的」である点だ。水素は窒素のように空気中に大量にあるわけではなく、生産するためには水を分解することが求められるとしつつも「この方法はエネルギーの損失が大きく、経済的ではない」と指摘した。
次に、水素の燃料電池は発電の触媒として白金(プラチナ)を使用することを紹介し、「希少で高価な白金を触媒として使用することは燃料電池の大量生産におけるボトルネックである」と指摘。大量生産では規模の経済が成り立たないばかりか、需要が増えれば逆に白金の価格が高騰する可能性があると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
中国メディアの電動車時代網は12日、トヨタ自動車が水素を燃料とする燃料電池車「ミライ」を2015年上半期に発売すると伝え、燃料電池車(FCV)は人類の生活を変化させるとする一方、普及には「大きな困難が伴うはずだ」と主張する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)
china,economic,japan,technology
2015-01-14 17:00