中国の鉄鋼業界 「高度成長は望めない」の認識

 中国国有企業である鉄鋼宝鋼集団の徐楽江董事長(会長)は12日に開催された中国鋼鉄工業協会(鉄鋼工業協会)第5次会員大会(集会)で、中国の鉄鋼業界について、中国では鉄鋼消費の大きな成長はもはや望めないとして現実を直視せねばならないと述べた。また、品質に対する要求が高まっていることから、それぞれの企業が分化していく必要があるとの考えを示した。複数の中国メディアが報じた。  徐董事長は中国における粗鋼の見かけ消費量が2014年1-11月に前年同期比2%の減少だったことなどを指摘。鉄鋼業界は高度成長を続けていける状況にはないとして「このような現実は、必ず直視せねばならない」、「新たな変化、新たな状況、新たな問題に目を向けず、ひどい場合には変化を認めることを嫌がっていたのでは、歩むべき道はますます狭くなり、困難はますます大きくなる」などと主張した。  中国の鉄鋼業界は長期にわたり、「量の拡大」と「価格競争力」により成長してきたが、徐董事長は同発展モデルは鉄鋼業界に「多くの損害をもたらし、多くの企業が疲労困憊(こんぱい)となった」と指摘。鉄鋼企業はまず、品質の向上に努め、それぞれの企業が特色を出し差別化していくことで競争力獲得を目指すことが、これからの中国の鉄鋼業界の必然の方向性と主張した。  徐董事長は、中国全体が環境重視、資源節約重視、全面市場化の方向に進んでいることも指摘し、企業は合法活動に徹する必要があると主張。2015年の企業統治の重点は、「新環境保護法をきちんと押さえること」との考えを示した。  徐董事長は1959年生まれ。中国鋼鉄工業協会会長を務めていたが、上記大会を持って鞍鋼集団の張広寧董事長が、同協会会長に就任した。張広寧董事長は1953年生まれ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国国有企業である鉄鋼宝鋼集団の徐楽江董事長(会長)は12日に開催された中国鋼鉄工業協会(鉄鋼工業協会)第5次会員大会(集会)で、中国の鉄鋼業界について、中国では鉄鋼消費の大きな成長はもはや望めないとして現実を直視せねばならないと述べた。また、品質に対する要求が高まっていることから、それぞれの企業が分化していく必要があるとの考えを示した。複数の中国メディアが報じた。(イメージ写真提供:123RF)
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2015-01-15 11:30