中国人民解放軍にも親近感を覚えた一瞬

日本経営管理教育協会が見る中国 第290回--廣井正義(日本経営管理教育協会会員)   ● 以前の日本政府の対中スタンス   以前より、ことあるごとに日本政府と中国政府の間ではいろいろな問題が起きている。というか、ただ単に中国が一方的に日本に仕掛けていることは誰が見ても明白なのだが…。   なぜこんなことになるかといえば、ご存知の通り、貧富の差が激しい中国人民は、相当中国共産党に不満を持っている。それに対して中国政府は、人民の不満が抑えられなくなってくる。つまりは暴動に発展するのである。その中には当然民主化への主張も出てくる。その不満の鉾先が中国共産党に向かわないよう、定期的なガス抜きが必要となってくるのだ。日本は、それに利用されているだけなのである。どうでもいい些細なことを、いかにも日本が中国に対して敵対心をむき出しにして嫌がらせをしているように中国内外に訴え、中国人民の怒りの鉾先を日本に向けさせているのだ。以前の日本は、いい加減な中国の言いがかりに対して何らかの対応をしていたので、中国から見れば日本はすぐに折れてくると思っていた。 ● 軍事衝突の可能性?   ちょっと物騒な文言であるが、最近中国政府はこんな脅しをかけている。そして、「今後何が起ころうとも、原因はすべて日本にある」と子供の喧嘩のようなことを、大の大人が堂々と言っているのだ。それに対して最近の日本政府の対応は、言うべきことはしっかり言い、行動すべきことはしっかり行動するようになってきた。要は、中国政府から見れば、思うようにいかなくなってきたのである。   そうなると、中国政府は思い通りにいかないジレンマに悩まされるが、中国はメンツの国、メンツをつぶされるなら死んだ方がましだと、多くの人民は本当にそう考えているほど中国人にとってメンツは大事なのだ。つまりは、振り上げたこぶしは、絶対に下せないのである。下す=メンツをつぶされることだ。そんなことは死んでもできない。そのため、そんな子供のようなダダをこねているのだ。それがエスカレートすると、善悪の判断ができなくなり、軍事衝突なんて言葉が出てくるのである。 ●中国人民軍も人の子?   そんな状況の最前線にいるのが、中国人民解放軍である。なにやらきな臭い話となってくるが、ご安心あれ。私が中国にいた2009年、建国60周年を迎えた。その際、天安門の前の大通りでは、大規模な軍事パレードが行われ、最新式の戦車や大陸間弾道弾など、ものすごい数の武器、兵器がパレードを行った。私も見に行きたかったのだが周辺は一切当然立ち入り禁止なので、その一部始終をテレビで見ていた。パレードが終わった車両等は、当然そのまま自力走行しながら基地に帰っていく。私が住んでいた東三環路をひょっとして通っていくのでは?と思い、怖いもの見たさで道路まで恐々歩いていくと、やはり目の前をものすごい数の車両が走っていた。しかもなんと!人民解放軍の兵士が市民に向かって笑顔で手を振りながら移動しているのだ。強面で微動だにしないイメージだったが、不安など吹き飛び、私もついつい喜んで手を振っていたのは言うまでもない。   普段は近寄りがたい人民解放軍だが、この時ばかりは親近感を覚えた。中国人と言えども人の子である。早く目を覚ましてほしいものである。 写真は手を振る兵士。(執筆者:廣井正義・日本経営管理教育協会会員 編集担当:水野陽子)
以前より、ことあるごとに日本政府と中国政府の間ではいろいろな問題が起きている。というか、ただ単に中国が一方的に日本に仕掛けていることは誰が見ても明白なのだが…。
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2014-01-22 10:45