中国のレアアース 「輸出割当制度は形骸化していた」=中国メディア

中国メディアの捜狐財経はこのほど、中国がレアアースの輸出割当制度を撤廃すると発表したことについて、中国は「輸出割当制度の導入を通じて合法的なレアアース輸出を減らしたところ、非合法の輸出が急増していた」と論じた。
記事は、中国がレアアースの輸出において割当制度から許可証制度へ移行すると紹介し、16年間にわたって行われてきた割当制度が2015年で終わることになると紹介。
さらに、中国は世界のレアアース供給量の90%以上を生産していると紹介する一方、「中国は決してレアアース大国ではない」とし、世界のレアアース埋蔵量のうち中国には全体の23%しかないと論じた。続けて、2011年に中国が輸出したレアアースのうち、56%が日本向け、さらに14%が米国、10%がフランス向けであったことを伝えた。
また、「レアアースが戦略資源ならば、なぜ中国以外の国は自国で生産しないのか」と疑問を呈し、その理由として「レアアースの生産は環境に与える負荷が極めて大きいため」と指摘。レアアースを鉱石から抽出するためには大量の薬剤が必要となり、さらに精製においては放射性廃棄物も発生すると紹介し、レアアース採掘によって得られる利益よりも環境改善にかかるコストのほうが圧倒的に大きいのが現状だと伝えた。
さらに中国国内ではレアアースの乱開発によって資源の枯渇も見られ始め、98年にレアアースの輸出割当制度が導入されたと紹介。一方で、輸出割当制度による管理が導入されて以来、中国ではレアアースの盗掘および密輸も相次ぎ、中国の輸出統計と海外諸国の輸入統計には大きな乖離が生まれている現状を伝え、割当制度はすでに「形骸化」していたと指摘、輸出割当制度の導入を通じて合法的なレアアース輸出を減らしたところ、非合法の輸出が急増してしまったと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
中国メディアの捜狐財経はこのほど、中国がレアアースの輸出割当制度を撤廃すると発表したことについて、中国は「輸出割当制度の導入を通じて合法的なレアアース輸出を減らしたところ、非合法の輸出が急増していた」と論じた。(イメージ写真は「CNSPHOTO」提供)
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2015-01-16 15:45