【為替本日の注目点】予断許さず、スイスフランとユーロの動きが鍵
NY市場
東京市場で一時115円台後半まで円高が進んだドル円は、底堅い動きを見せ、116円台半ばまで反発。NYでは株高、長期金利の上昇などからさらにドルが買われ、117円77銭まで円が売られる。前日のスイスフランの混乱に伴い、ユーロはさらに下落。ユーロドルは約11年ぶりとなる1.1460まで下落。今週の理事会でECBが何らかの行動を起こすとの見方がさらに強まる。
株式市場は6日ぶりに反発。消費者マインドや原油価格が上昇したことでエネルギー株などを中心に買い戻しが活発になった。ダウは190ドル上昇し、他の主要株価指数も大きく反発。債券相場は6日ぶりに反落。消費者マインドが市場予想を上回ったことで利益確定の売りにつながった。金は続伸。原油は反発して48ドル台半ばに。
米 12月消費者物価指数 → -0.4%
米 12月鉱工業生産 → -0.1%
米 1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 98.2
ドル/円 116.33 ~ 117.77
ユーロ/ドル 1.1460 ~ 1.1611
ユーロ/円 134.85 ~ 136.17
NYダウ +190.86 → 17,511.57ドル
GOLD +12.10 → 1,276.90ドル
WTI +2.44 → 48.69ドル
米10年国債 +0.088 → 1.830%
本日の注目イベント
米 キング牧師生誕記念日(株式・債券市場は休み)
先週金曜日には日経平均株価が520円以上下げたこともあり、ドル円はついに116円を割り込み、115円86銭までドルが売られる場面がありました。前日の海外市場で、スイスフランの上限撤廃から株価が下落し、安全通貨の円が買われ、116円台前半まで円高が進んだことを受けた格好でした。115円台は2回試しましたが、それでもすぐに押し戻されたところを見ると、このレベルではそこそこドル買い需要もあるように思えます。
週末のNYでは、原油価格が2ドルを超える反発を見せたことで、リスクオフモードが後退し、株価は6日ぶりに反発し、長期金利が上昇したことでドル円も117円台後半まで上昇しました。115円台では一旦買い戻され、底堅さを見せたドル円ですが、今週からは重要イベントも多く、まだ予断は許しません。波乱含みの展開が予想されます。
最大の注目はなんと言っても22日のECB理事会です。市場参加者の多くは、今回の理事会でECBは量的緩和に動くだろうと予想しており、個人的にも動かざるを得ないと思います。直近の消費者物価指数は「ゼロ」を割り込んで来ました。日本が15年以上も苦しんできた「デフレ」への入り口に立たされているのがユーロ圏です。今年に入って原油価格が急落したことが、さらに物価の下落圧力となっています。問題はドイツ連銀の反対を押し切れるかどうかですが、先週のドイツ各紙はある程度の合意形成ができているようだと報じたと、伝えられています。
ユーロドルは1.14台半ばまで売り込まれ「底値」が見えない状況です。やはり多くの市場関係者が予想するように「パリティー」まで売られるということかもしれません。仮に今回量的緩和を実施したとしても、25日にはもう一つの山である、ギリシャの総選挙が控えています。直近の情報では、急進左派連合がリードしているようですが、過半数を獲得するには至らないと予想されています。その場合には再選挙もあり得る状況で、連立政権を組むということになります。急進左派連合がどこまで妥協をするのかが焦点になるかもしれません。
今夜のNYは債券・株式市場が休場です。欧州でも経済指標がないため、スイスフランと、ユーロの動きがカギをにぎると思われます。ドル円もまだ上値を抜いていくセンチメントでもありません。レンジは116円50銭~118円程度予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
東京市場で一時115円台後半まで円高が進んだドル円は、底堅い動きを見せ、116円台半ばまで反発。NYでは株高、長期金利の上昇などからさらにドルが買われ、117円77銭まで円が売られる。前日のスイスフランの混乱に伴い、ユーロはさらに下落。ユーロドルは約11年ぶりとなる1.1460まで下落。今週の理事会でECBが何らかの行動を起こすとの見方がさらに強まる。
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2015-01-19 09:30