「武器輸出」でも価格競争力! インドで中国の軍事産業を警戒する声=中国メディア

中国新聞社など複数の中国メディアは最近になり、インドの金融情報サイト「マイ・デジタル・フィナンシャル・クロニクル(mydigitalfc)」が掲載した、中国の武器輸出の増長についての文章を紹介した。文章は中国の武器輸出について、「一般商品市場を征服したのと同様に、際立っている価格競争力で、軍事産業の輸出市場を征服するかもしれない」と警戒感を示した。中国が対立国の双方に武器を輸出している例があることも指摘した。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所によると、中国の武器輸出は2012年、英国を抜き、米国、露、独、仏に次ぐ世界第5位になった。全世界における武器輸出に占める輸出額シェアは米国が30%、ロシアが26%、ドイツが7%、フランスが5%で、中国は08年の2%から12年には5%に達した。
武器輸出国の上位5カ国に入れ替えがあったのは冷戦後初。アジアの国が武器輸出国の上位5位に入ったのは史上初。中国の武器輸出は、米、ロ、ド、仏の4カ国の13倍のスピードで増え続けているという。
mydigitalfcは、中国の武器輸出について、戦闘機や無人機など、これまでは西側諸国がハイテク技術を駆使して開発・製造していた武器の輸出にも参画しはじめたと指摘。
中国製武器の主な輸出先については、パキスタン、バングラディシュ、ボリビア、ベネズエラ、ザンビア、サウジアラビア、イラン、タイと紹介。武器輸出量と比べて「顧客リストが長い」と指摘した。
「顧客リスト」にあるのは主に、「反米」や「地下資源」という特色のある国だ。また、中近東で現在も最大のライバルであるとされるイランとサウジアラビア双方に武器を輸出したり、本来なら西側諸国の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)加盟国であるトルコに武器を輸出、するなどの“見さかいのなさ”も指摘した。
記事は、中国には「アジアの全面的強国の地位を得ようとの計画がある。いかなる国が立ちふさがろうと恐れない」との見方を示した。そして、輸出についても道路、鉄道、都市、大学、港湾、空港など、相手側にとって「現代化の核心となるインフラ施設」を手がけるようになったと指摘。中国が次に進めようとしているのは、宇宙開発を含めた国防産業関連の輸出だとの考えを示した。
記事はさらに、中国が軍関係における腐敗撲滅に着手したことを指摘。軍最高幹部を含む大量の関係者を処分/処罰したことを「厳粛なる改革」と評して、警戒感を示した。記事は、「中国は一般商品市場を征服したのと同様に、際立っている価格競争力で、軍事産業の輸出市場を征服するかもしれない」との見方を示した。
記事は触れていないが、中国の軍事産業には「工業のすそ野がせまい」との問題点もある。中国は2013年、トルコへの防衛ミサイル「紅旗9(輸出仕様はFD-2000)」の輸出を決めたが、リミットスイッチという、同ミサイル発射装置で使っていた電気スイッチの一種が日本製だった。
中国では、そのたの兵器にも日本製の部品が使われているとして「国防上の懸念事項だ」などとする声が上がった。
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◆解説◆
中国が外国に武器を供与した例としては、1960年代のアルバニアに対しての事例がある。両国とも社会主義国でありながらソ連と厳しく対立していたとの背景があった。その他、友好関係にあったカンボジアのポルポト政権への支援もあるが、中国の武器供与は基本的に無償だった。
中国が武器の有償提供に踏み切ったのは1970年代後半のエジプトへの戦闘機売却で、新式の兵器開発のための資金を稼ぐ必要があるとするトウ小平の判断だったという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
中国新聞社など複数の中国メディアは最近になり、インドの金融情報サイト「マイ・デジタル・フィナンシャル・クロニクル(mydigitalfc)」が掲載した、中国の武器輸出の増長についての文章を紹介した。
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2015-01-19 21:15