「中国スマホ」の成長戦略・・・「ハイエンド・モデル」が主戦場に!?

中国の携帯電話メーカー「小米(シャオミ)。小米科技。本社・北京市)」はこのほど、3299元(約5万7000円)の“大画面スマートフォン”を発売した。3000元以上のモデルは同社初。中国ではこのところ、国内メーカーが自国市場向けにスマートフォンのハイエンド・モデルを発売する例が目立つ。2014年の携帯端末出荷台数が前年比で21.9%減だったことが背景にあるという。
中国政府・工業和信息化部(工業と情報化部)は12日、中国市場における2014年の携帯電話出荷量は前年比21.9%減の4億5200万台だったと発表した。中国における携帯電話ユーザーは同年11月末現在で延べ12億8000万人で、人口の95%程度になった。
携帯電話のユーザー数は契約ベースで集計したもので、1人が複数の契約を結べば、ユーザー数は複数として数えられる。しかしいずれにせよ、携帯電話分野で中国市場は飽和状態になり、端末については買い替え需要に頼らざるをえなくなったとの見方がある。
3000元以上のモデルを発売したのは小米が初めてではなく、2014年にはOPPO(本社・広東省東莞市)が3999元(約76000円)の機種を発売している。2500-3000元のモデルはかなり多い。華為(ファーウェイ)の「mate7」シリーズは安い機種で2999元(約57170円)だが、品薄のためインターネット通販では3500元程度の価格が付けられている場合が多い。ファンの間では4000元以上で取引される場合もあるという。
携帯電話、あるいはスマートフォーン市場が拡大していた時期には、各メーカーは順調に販売台数を増やすことができた。しかし、需要が伸びなくなれば、企業としては、ライバル企業とシェア争いをするだけでなく、その上で「いかにして利益を獲得するか」ということが、成長を続けるために絶対に解決せねばならないテーマとなる。
結果として、ブランドを築き、ハイエンド製品を作り出すことが、多くのメーカーにとって、手がけねばばならない課題になったわけだ。
これまでにも「iPhone」などに影響されて、3000元以上のモデルを発売した中国のメーカーはあった。しかし結果は「惨憺(さんたん)たるもの」だった。そのため、スマートフォーンでも3000元以上の価格帯は中国のメーカーにとって「立ち入り不能地域」と見られるようになった。中国企業は「1000元代の価格帯」のモデルで競った。
しかし状況は変化した。中国の携帯端末メーカーにとっても「3000元以上の価格帯」が最も利益を上げられる“主戦場”となる可能性が出てきたという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Minh Tang/123RF.COM)
中国の携帯電話メーカー「小米(シァオミー。小米科技。本社・北京市)」はこのほど、3299元(約5万7000円)の大画面携帯電話を発売した。(イメージ写真提供:(C)Minh Tang/123RF.COM)
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2015-01-20 15:15