「ニューノーマル」への過渡期・・・「中国経済の質は向上」と専門家=中国メディア

中国政府・国家統計局は20日、2014年における中国の主要経済指標を発表した。国内総生産(GDP)は前年比で実質7.4%増の63兆6463億元(約〓円)だった(速報値)。中央財経大学統計学院の賀鏗学院長は、年初目標の7.5%とほぼ一致したとして評価。2015年についても状況は改善されるとの見方を示したが、不動産価格についは下落傾向が続くとの見方を示した。
中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)は、2014年の経済状況と15年の見通しについて、賀学院長ら専門家の見解を紹介した。
賀学院長は、14年の経済成長率が年初目標よりもやや下回ったことについては、「若干の上下は合理的な範囲内」と説明。2013年の7.7%を下回ったことについては、「経済の質は前年よりさらに1歩、向上した。その中で、この経済成長率は悪くない」と評価した。
中国経済学界の重鎮とされる厲以寧氏も、14年の成長率について「具体的な数字ばかりを重視すべきではない」と説明。「中国が今後も成長率7%台を維持できれば、悪くない」との見方を示した。現在は経済を成長させながら経済構造を調整している時期なので、成長率を無理に引き上げることは不可との見方だ。
賀学院長は◆投資◆輸出◆内需――という中国経済を牽引(けんいん)する“3頭の馬”について、2015年は「輸出が2014年よりも落ち込むということは、あまり考えられない」と説明。所得水準も向上すると考えられるので、消費も押し上げられるとの見方を示した。
さらに、“3頭の馬”のうち、最大の問題は「投資」と指摘「特に不動産は中国経済にとって最大のリスクになる」と説明。2015年の経済について「最も心配せねばならないことがあるとすれば、金融危機だ。金融危機を誘発するものがあるとすれば、問題が最も多く集中しているのは不動産の分野だ」との見方を示した。
賀学院長は2015年の不動産業界について、「価格は下落傾向にあり、バブルの要素は絶えず削り落とされていくだろう。政府はこのような状況を注意深くみて、いざという時の対応策を立てておかねばならない。ただし、あまり介入しすぎてもいけない」との考えを示した。(編集担当:如月隼人)(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
中国政府・国家統計局は20日、2014年における中国の主要経済指標を発表した。国内総生産(GDP)は前年比で実質7.4%増の63兆6463億元(約〓円)だった(速報値)。(写真はイメージ。「CNSPHOTO」提供)
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2015-01-20 17:15