中国が「海底トンネル」の建設計画へ・・・完成すれば世界最長に

山東省は中国中央政府・国家発展改革委員会(発改委)に対し、同省と遼寧省を結ぶ高速鉄道建設の承認を求める考えだ。2016年から20年を対象とする第13次5カ年計画に盛り込むよう求める考えと言う。同建設計画は、世界最長の長さ120キロメートル、あるいはそれ以上になる、渤海湾を横断する海底トンネルの建設を含む。
山東省発展改革委員会の張務鋒主任によると、同省政府は省内各地政府の関連部門と協議して意見をまとめ、中央政府に同建設を国家第13次5カ年計画に盛り込むよう、中央政府に求める考えだ。
山東省からは山東半島が東に延び、その北岸には遼東半島がある。山東省から陸路で遼寧省に行くには現在、両半島に囲まれた渤海湾を大きく迂回せねばならない。距離は1000キロメートル程度になる。
そのため、山東半島から遼東半島への海底トンネル建設の構想が浮上した。トンネルの長さは120キロメートル程度で、高速鉄道を通せば、現在は在来線で10時間程度かかるのが、一気に30分程度になるという。トンネルは建設ルートによっては160キロメートル程度になるという紹介もある。
地下鉄を除けば現在、世界で最長の鉄道用トンネルは日本の青函トンネルで、長さは約53.85キロメートルだ。渤海湾横断トンネルが完成すれば、青函トンネルの2倍以上の、世界で最も長い鉄道トンネルとなる。同路線を利用すれば、遼寧省大連市から上海市までの高速鉄道の運行も、距離が圧縮され時間が短縮されるという。
張主任によると、中国中央政府首脳陣は現在、第13次5カ年計画には新たな重大プロジェクトを盛り込まない方針だが、山東政府は同省の発展のために「半島の交通がボトルネックになっている」との現状を徹底的に改善するために、渤海湾横断高速鉄道の建設を認めるよう、働きかけている。同省は第10-12次5カ年計画についても、「黄河デルタ高効率エコ経済区」、「山東半島青色経済区」などの建設計画を中央政府に承認させてきた実績があるという。
渤海横断トンネルの構想は1990年代初期からあったが、2011年ごろに研究が改めて本格化した。建設費用は2000-2500億元(約3兆700億-4兆7400億円)程度と見込まれている。(編集担当:如月隼人)
山東省は中国中央政府・国家発展改革委員会(発改委)に対し、同省と遼寧省を結ぶ高速鉄道建設の承認を求める考えだ。2016年から21年を対象とする第13次5カ年計画に盛り込むよう求める考えと言う。同建設計画は、世界最長の長さ122キロメートルになる、渤海湾を横断する海底トンネルの建設を含む。
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2015-01-22 10:30