韓国の軍事産業 インドの「軍備更新」にビジネスチャンスの可能性

インドの海軍力増強40年計画の一環となる潜水艦6隻の建造に、韓国の現代重工業が技術協力を行う可能性が高まった。現代重工業は20日、受注先として有力視されているヒンドスタン造船と、潜水艦建造に当たって技術チームを派遣する協定を結んだ。中国国防科技信息網が紹介した。
ヒンドスタン造船は、「現代重工業の優位な技術力を利用して、現在の世界で最先端の潜水艦を建造する。インドの将来40年間にわたる海軍建設が、双方にとってウィンウィンとなる」との考えを示した。
現代重工業は船舶、産業ロボット、太陽光設備などを製造している。造船では世界最大規模とされる。国別では2013年実績の船舶竣工量が中国は2590万トン、韓国は2450万トン、日本が1459万トンで、中韓は世界の二大造船大国と言える。
しかし中国国防科技信息網によると、現代重工業は受注量が減少しており、ヒンドスタン造船との協力はインド市場での足場づくりの面でも効果が期待できるという。
インドはこのところ国防面を充実させることに力を入れており、2009年から13年までは兵器の輸入額が毎年平均29.3%上昇した。
インド海軍は現在、潜水艦を14隻運用しているが、半数程度は1980年代建造の旧式艦で、1隻ある原子力潜水艦はロシアから貸与されたものだ。インドは海軍を増強することでインド洋の「支配力」を増強させようとしているが、潜水艦部隊の再建も重要な鍵になるとみられる。
インドは今後5年で、軍事設備と兵器の更新のために770億米ドル(約9兆円)程度を投じるとされる。記事は、韓国にとっては潜水艦だけでなく、レーダーや砲弾を売り込む大きなビジネスチャンスになる可能性があるとの見方を示した。
**********
◆解説◆
韓国はドイツに214型潜水艦3隻を発注。実際の建造は現代重工業が行った。同型潜水艦は韓国で「孫元一」級と呼ばれる。1番艦の孫元一は2006年に進水したが、スクリュー音が大きすぎるという問題が出た。潜水艦の利点は「隠密性」に集約できる。一方で、相手側の発見・攻撃が成功すれば、乗員すべての死亡を覚悟せねばならないという脆弱性がある。スクリュー音が大きすぎれば、「潜水艦」としての存在理由がないことになる。
ドイツ側に問題があったのか現代重工業の建造に問題があったのかは不明。また、「使用に耐える状態になった」との情報も見当たらない。「孫元一」については2014年になり、燃料電池の不具合で数週間は可能とされていた連続潜航による作戦行動も数日間しかできない時期があったと伝えられた。
韓国はその後、3000トンクラスの次世代潜水艦を自主開発すると発表した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)
インドの海軍力増強40年計画の一環ととなる潜水艦6隻の建造に、韓国の現代重工業が技術協力を行う可能性が高まった。現代重工業は20日、受注先として有力視されているヒンドスタン造船と、潜水艦建造に当たって技術チームを派遣する協定を結んだ。中国国防科技信息網が紹介した。(イメージ写真提供:123RF)
korea,asia,military
2015-01-22 11:45